FROM LIVEHOUSE 第2回 LEIWAN × PEPE(目黒鹿鳴館)

「PEPEさんがいれば、どこでも鹿鳴館になる」── “歩く鹿鳴館”とLEIWANの現在地

ライブハウスの店長やブッカー、イベンターが「今推したいアーティストと対談する」連載企画〈FROM LIVEHOUSE〉。第1回のeggman×TRiDENTに続く第2回は、45年の歴史に幕を下ろした目黒鹿鳴館の店長・PEPEさんが、自ら名を挙げたLEIWANとの対談。旧名のテロリズムン時代から彼女たちを見守ってきたPEPEさんと、金城ルイ・ユウヒ・リコの新メンバー2名を加えた新体制のLEIWANが、「何事も楽しめ」という一言、コロナ禍のライブハウス、バンドセット、そして“箱の無くなった今”をめぐって語り尽くした、2時間半のロングトーク。

※インタビュー日は7月17日。初台DOORS「下克上バトル」ライブ前に対談を実施したが対談内容の半分も終わらず、急遽ライブ後に追加インタビューを実施。

「やっぱりLEIWANじゃん」── PEPEが名を挙げた理由

── よろしくお願いします。『GIRLS特区!!』という、女性アーティストにフォーカスした音楽メディアです。7月7日に立ち上がったばかりなんですけど、澪さんに一度インタビューをやってもらっているので。1ヶ月も経たずに2回目、早くもLEIWANレギュラーのメディアみたいになってますけど(笑)。今回は〈FROM LIVEHOUSE〉という、ライブハウスの店長さんやブッキングさん、イベンターさんが今推したいアーティストと対談するという企画で。第1回がeggmanとTRiDENTで、今回が2回目。PEPEさんに声をかけたら、PEPEさんの方から「LEIWANで」という話をしてくれました。GIRLS特区!!からLEIWANというより、PEPEさんからLEIWANという流れです。まず、皆さん一言ずつ声をいただいていいですか。

澪・モンスター:はい、LEIWANの青色担当、澪・モンスターです。よろしくお願いします。

ユウヒ・リコ:LEIWANのオレンジ色担当、ユウヒ・リコです。よろしくお願いいたします。

卯月アヤカ:LEIWANのピンク色担当、卯月アヤカです。よろしくお願いします。

金城ルイ:LEIWANの紫色担当、金城ルイです。よろしくお願いいたします。

PEPE:鹿鳴館のブラック担当、よろしくお願いします(笑)。

── 今回はPEPEさんからの推薦ということで、まず、PEPEさんにLEIWANを挙げてくれた理由を伺いたいです。

PEPE:LEIWANは始まった時から知ってるというか、その前身の前身、テロリズムンの時から見てて、成長過程みたいなものも僕なりに見てきて。COMRIZEDのグループってみんな回転が早いんですよ。メンバーが辞めて、辞めた後も悲壮感とか「辞めちゃったんだ」みたいなことを、遠い昔に感じるくらい時が流れていく。たぶんそれは宮田くん(COMRIZED社長)の戦略もあると思うんですけど、それが気持ちよくて。別に僕もそれをネガティブに捉えているわけでもなく、逆にそれが──LEIWANに限らず、所属のAIBECKだったりEMPATHYもあっという間に塗り替えられるんですよね。LEIWANも初めの4人はちょっと長かったと思うんですけど、その後メンバーが辞めて、辞めて、辞めて、今の新しいメンバーが入って。龍華とかあぐりが入った時も期待したんですけど、それが2人とも辞めちゃって、新しい2人が入って。今の4人のライブはまだ僕も見てないんですよ。でも楽しみでしかないし。「こういう風なんじゃないか」って想像して、それを見た上で判断する。「こういう感じなんだ」って、期待通りな部分もあるし、いい意味で裏切ることもあるし。「なんか違うな」と思った時は、ライブが終わった後によく話したりするんで。これまでも澪からとか「どう思う?」みたいに聞かれたら、率直な意見を言ってるつもりで。そういうのもあって、LEIWANを推したい気持ちがあって、今回紹介させてもらったって感じですね。

── 今の話を聞いて、既存メンバーの卯月さんはどうですか。

卯月アヤカ:本当に右も左もわからない、ライブハウスの使い方もわからない、関係者さんに挨拶もできない、どうしようもない時代から、PEPEさんはすごく気にかけてくださってて。こうやってLEIWANのライブを見て「応援したいな」って背中を押してくれる。それが当時の私たちの自信になったんですよ。これだけ長年ライブハウスを守ってくださってる方に背中を押してもらえると嬉しいし。本当に、親みたいに、いろんなことを教えていただきました。新体制も、どの時代のLEIWANも応援したいと思っていただけるのは、期待に応えなきゃなってすごく思います。

── 澪さんはどうですか。

澪・モンスター:これ、別のグループを推薦したら、めちゃめちゃブチギレですよ、絶対無理(笑)。でも、PEPEさんの中で「こいつらが行く」って一番思ってもらえてる自信と、今まで築いてきた自信があるから。「私たちがLEIWANです」「PEPEさんが推薦するのはもちろんLEIWANです」って感じ(笑)

PEPE:いや、でも本当に他のグループ紹介しようもんなら澪に一生言われるんだろうなって(笑)

一同:(笑)

PEPE:実際、他のグループも頭には浮かんだのよ。でも自分でいろいろ置き換えた時に、タイミング的にもメンバーも変わって「ここから」という時で。縁が深いんだよね、いろんなものが。「やっぱりLEIWANじゃん」ってしっくりくる。素直な気持ちとして「LEIWANで話を聞きたいよな」って。僕、今のLEIWANのこと知らないし、新メンバーも初めましてで、まだライブも見てない。だから余計、こういう機会でいろんな考え方を知りたかったし。リアルでこうやって話せるのは全然違うから。普段は鹿鳴館があったから、ライブが終わった後に楽屋で話せたんですよ。

「何事も楽しめ」── 初めてのワンマンと“怖かった箱”

── LEIWANのファーストワンマンって鹿鳴館なんですよね。

卯月アヤカ:そうですね。一番最初にワンマンをしたのは鹿鳴館。LEIWANができる前から。

── COMRIZEDとして鹿鳴館でイベントをやったりしていて、ずっとレギュラーでやっていたじゃないですか。澪さんにとって、どういう認識でした、鹿鳴館って。

澪・モンスター:怖ぇライブハウス、怖い人がいっぱい集まってるな、と思ってました。それは鹿鳴館の歴史的な話で。アイドルのライブハウスじゃなくて、もっとゴリゴリのメタルの箱じゃないと思ってましたね。一般人だった時の自分の認識は「怖いライブハウス」みたいなイメージでした。

── そこがファーストワンマン会場になった。鹿鳴館で初めてワンマンをやることになった時の印象は。

卯月アヤカ:デビューして半年くらいで、ワンマンなんてやったこともないから、とにかく動員を埋めなきゃ、と。やっぱり駆け出しだから、結局ソールドには行かなかった。でも「鹿鳴館をいっぱいにするんだ」「鹿鳴館でLEIWANが」という思いは強くなったワンマンだと思ってます。こんなに良くしていただいてるところで初めてワンマンできるのも嬉しかったですし。

── 澪さんは、その“怖い場所”でワンマンをやることに対してどう思いました。

澪・モンスター:「いいとこ見せたい」って思って。イメージは、初めて親に見せるワンマンみたいな気持ちだった。世間に対してはもっと尖ったもので「見返したい」「ソールドして振り向かせたい」って、外側にはそう思ってたんですけど。でも、PEPEさんとか鹿鳴館にはよくしてもらってたから、唯一、自分があったかい気持ちを向けてライブできてた特別な場所でした。

── PEPEさん的には、デビュー半年で鹿鳴館でやっていた頃のLEIWANの印象は。

PEPE:正直に言いますけど、あんまり明確に覚えてないんですよ。

一同:え?(笑)

PEPE:LEIWANに限らずなんですけど、デビューライブと、半年後、1年後……ライブハウスの人だからちゃんと覚えてますよね、って言われるけど、覚えてない、全然覚えてない(笑)。ただ、僕の中でグラデーションのように覚えてるんですよ。「あの時期ってどうだった」とかを澪に聞いたら「それ1年目だよ」「もっと前だよ」って。そういう感じで答え合わせをして「ああ、ああいう成長だったんだ」と。

「どんな状況でも楽しめ」── PEPEさんの口癖と、メンバーが飛んだ日

PEPE:LEIWANってMCが熱いんですよね。いろんなグループにやり方があるから比較の話じゃないんですけど、LEIWANのいいところって、心の声をちゃんと言ってくれるから。ライブへの思いというか、グループ活動をする上での覚悟の声というか。普段は生意気なことも言ってますけど(笑)。

楽屋ではふざけてますけど、いざライブになると、僕は照明をやることが多いんで、照明をやってて気持ちも入るんでね。照明が決まったと思ったら、個人的に嬉しいじゃないですか。誰も褒めてくれないですけど。自分の中で「決まった」となったら、今で言う4人のメンバーに対して5人目のメンバーとして役割を果たした気になってるの、勝手に。「僕のおかげで今日のライブが成立した」って(笑)。

── 毎週火曜日にやっていた鹿鳴館の定期公演について伺いたいんですけど。ライブハウスとして、同じ事務所がずっと公演を続けるというのは、どういう作用があるものなんですか。

PEPE:アイドルとして毎週火曜っていうのは、事務所としては初なんですよね。コムの場合って3グループ、4グループでバンとやるでしょう。ああいうスタイルは、たぶんアイドルで初で。ライブハウスとしては、良いも悪いも、うちはスケジュール的に埋まった方がありがたいし、ビジネスで言えばね。でもそういうことじゃなくて「コムといえば鹿鳴館だよね」って、他のところに行っても実際言われますから。それは正直、嬉しいですよ。

基本的には「別にうちでやってればいい」とは思わないよ。グループとして箱もどんどん上げていかなきゃいけないし。それはバンドでもそうで。バンドの子たちが大きくなっていった時に、前にやったLUNA SEAとかもそうだけど、結局その鹿鳴館にまた凱旋で戻ってくる。大きくなった後も鹿鳴館でやるのよ。緊張感を取り戻したいし、でかい会場ばっかりやってると麻痺するんだって。麻痺しちゃった部分を、鹿鳴館の後ろの階段で初心に戻す。それは店をやってる側からするとわからない、演者だからこその感覚で。僕は中の人だから意識してないんだけど、それをいろんな人に言われると「そういう場所なんだな」って思う。

── 毎週を、もう何年くらい?その中でPEPEさんと話してて印象深かったことは?

PEPE:6年くらい?

卯月アヤカ:もっと長いんじゃないですか。だってLEIWAN、今年8年目です。

澪・モンスター:いつも定期公演、毎週火曜の主催が終わった後、ずっとPEPEさんと喋ってて。終電を逃しても喋っちゃう。でも、その時間でしか得られないものがあって。自分が今日どういう調子だったのか、どういうメンタルだったのかを洗いざらい全部話させてくれるから。私はその時間で自分のことを見つめ直して、次のライブに活かしていってたんですね。だから私はこの時間がすごく好きで。普通ライブハウスって、10時くらいから「早く帰ろう」って感じなんですけど、PEPEさんは嫌な感じをせず、椅子を2つ置いて、ちゃんと向き合ってくれて。

私、人生の中で「この言葉を大事にしよう」って思ってるのが、PEPEさんに言われた「何事も楽しめ」なんです。それが今、LEIWANをやっていく中での主軸になってて。確かその時、ちょうど初めてメンバーが飛んだ。

一同:(笑)

── 飛んだ(笑) ずっと同じメンバーでやってきて、メンバーが飛んで。私、いろんなことが決まった後だったから関係者さんにも謝ってて。いつものごとくPEPEさんが「大丈夫?」って声をかけてくれて。もうこの先どうしようってなってたら、「ああ、もう何事も楽しんだらいいよ」って言われて。「マジ?今の状態も?」みたいな(笑)。でも続けてきたからこそ、その理由がよくわかるし。どんだけ悩んでも、周りが自分の思った通りに動いてくれることって、他人だからないなって。じゃあ自分が楽しんだ方が、本当に上手い方に行ったんですよね。「この状況を楽しんでみるか」「やったことないけど楽しそうだからやってみるか」というモチベーションでやったら、本当に全部好転して、周りが助けてくれるようになって。あの時言われた「何事も楽しみなさい」は、私の人生の中ですごく大事な言葉になってます。

卯月アヤカ:たぶんPEPEさんの口癖だと思うんですよ「楽しみなさいよ」って(笑)。どんな状況でも「楽しみなさいよ」っていうのは。

あとは「残った人が一番。残った人が強い」というのも結構言ってくださる。辞めちゃったメンバーも尊重してくれるけど、「今立ってるあなたたちが一番だよ」って言ってくださるから、やりやすいですよね、ぶつかっていきやすいというか。

── 覚えてます?

PEPE:覚えてますよ。別にコロコロ意見を変えてるわけでもなく、一貫して「楽しめ」というのは僕の中でテーマとしてあって。僕自身もそうしてるしね。何があっても、今の鹿鳴館が無い状態も楽しんでますから。じゃないと腐りますからね。腐るってことは、周りから人がどんどん消えていくと思うんです。楽しくないのに楽しんだフリをしてるのも疲れちゃうし。だったら楽しむのが一番いいじゃないですか。喜怒哀楽で言うと、怒りが一番、感情の中では爆発すると思うんですよ。だけど、日常的に怒ることってそんなにないじゃないですか。悲しいことも、そんなにない。喜ぶこともそんなにない。でも、楽しいことは自分で作れるんですよね。自分で楽しんじゃえば、周りの人が「楽しそうだな」って寄ってくる。「あの人いつも怒ってる」ってなると、離れていくでしょう。喜んでても近寄ってくるかもしれないけど、喜びって、その人の喜びでしかないから、分かち合えない。悲しみも、その人の中にしかない悲しみだから。分かち合えるのは、楽しさだからね。新しい二人にも今後話していくこともあると思うけど「楽しめ楽しめ」っていうと思う。

「詰まってる方が生きてる」── 新メンバー、加入からの日々

── 新メンバーのルイさん、リコさん。今、PEPEさんから「どんな状況でも楽しめ」という話がありましたが、加入が決まってから今まで楽しめてますか?

金城ルイ:LEIWANのオーディションを受けている時も、曲を詰め込んでいる時も、私は振り覚えがめちゃくちゃ遅いんですよ。だからよくリハで顔が死んでるんですけど(笑)楽しくないわけじゃなくて、真剣になりすぎて顔が死んでる、という状況で。覚えが遅いから一人で練習したり。配信もいっぱいしてたし。候補生の時から大変なこともあったけど、オーディションが始まってから、とにかく毎日ずっと楽しくて。「本当にやだ、つらい」みたいには全く思ったことがなくて。何をしてても、自分の中に今「LEIWAN」という武器があるから、それをもっと強固なものにしたいという思いがあるから、楽しくないなと思うことは全くないですね。

── リコさんはどうですか。

ユウヒ・リコ:自分はオーディションを受けた時、まだ愛知に住んでて。決まってからも割と行ったり来たりで、東京の家も決まってない、みたいな感じだったんですけど。日々慌ただしく時が進んでいって、自分も「忙しい、詰まってる方が楽しい、生きてるな」って感じるので。すごいLEIWANとして走り出して、「ああ、これがCOMRIZEDに来たってことなのか、LEIWANに入ったってことなのか」と思って。少しずつ、日々詰まってるからこそ「生きてるな、楽しいな」と思うことが多かったです。

── 2人とも、ちゃんと楽しめてるということですね。

金城ルイ/ユウヒ・リコ:そうですね(笑)

ベストアルバム100円配信 ── コロナ禍、ライブハウスを支えたシーン

── また少し前の話に戻るんですけど。2020年5月、コロナで営業できなくなっている時に、LEIWANがベストアルバムを100円で配信して、その売上を全部、鹿鳴館に寄付しました。あれは宮田さんからの提案ですかね。

澪・モンスター:そうです。

── その話をPEPEさんが初めに聞いた時、率直にどう思いましたか。

PEPE:単純に嬉しいでしかないです。ありがたい。でも、実際どうなっちゃうかわからなかったじゃないですか。僕、今でこそこのタイミングでクラファンをやってますけど、コロナの時ってクラファンに否定的だったんですよ。どこもかしこもクラファンを入れ始めて。うちはギリギリやれるまでやっとこう、と突っ張ってた部分もあって。でもその中でも、いろんなバンドの方が支援グッズを作ってくれたり、国に申請できるものは申請したり。そんな中で、宮田くんが「ベスト盤で全額鹿鳴館に入れますよ」なんて話してくれて。単純に嬉しかったですよね。ありがたさしかない。

── LEIWANの2人が、コロナ禍にライブをやり続けたこと、ライブハウスに寄付をしたことに、どういう思いがあったのか聞きたくて。事務所発信だったとしても、メンバーの思いも載っていってると思うので。

卯月アヤカ:コロナ禍はお客さん一人とメンバーでやるライブとか、コロナ禍の時しかできないこともあって、あの時はもうそれしかなかった。

PEPE:逆手に取ってたよね。

卯月アヤカ:今思えば、それは今はできない。人が入れる状況じゃないからこそできるライブもあるし、ソーシャルディスタンスを守って。ライブに否定的だった中でも「いいよ、やろう」ってやらせてくれる場所があるからこそ生きれた。私たちも……ライブができないだけで「人生終わった」ってなっちゃうから。そういう場を提供していただけているところに、こういう形でベストアルバムを出すのは初めてだったから、それも嬉しかったし。自分たちのCD、アルバムになってみんなのもとに届けられるのも嬉しかったし。いつもお世話になって大好きな鹿鳴館さんに、恩返しというか、ちょっとでも力になれるのもすごい嬉しかった。言い方は悪いけど、コロナ禍でいろんな経験をさせてもらったからこそ、ライブハウスでライブができるありがたさとか、感謝を忘れないというか。それがあって今のLEIWANがあると思う。

澪・モンスター:LEIWANって振りコピが結構特徴で、みんなで一つの踊りを、メンバーと同じダンスをみんながする。振付師のaya先生がつけてくれてるんですけど、それが浸透したのがコロナ禍で。ライブ中に声を出せなかったじゃないですか。あの時に「どうしたら楽しんでもらえるだろう」と模索しながら作っていて。その前から一緒に踊るライブスタイルではあったんですけど、縛られた中でも楽しめる、どんな状態でも誰でも楽しめるというライブスタイルが確立した機会でした。だからそのタイミングでライブをさせてもらえていたことはとても大きくて。あのタイミングでライブできてなかったら、そのスタイルは今ほど根強くは残ってないと思ってる。私自身、国としてライブがダメだという、大きすぎる規模で禁止される時間があったからこそ、「1回ライブしていいよ」の1回がどれだけ大事で、ありがたいことなんだろうという気持ちを持てた。だから私はこの時期があってよかったなと思ってます。

「歩く鹿鳴館」 ── 箱が無い今、それでもLEIWANを選ぶ理由

── 今回、PEPEさんがLEIWANを選んだ理由として「新体制になって、ここから勢いがついていくタイミングだから」とおっしゃった。でも今、目黒の鹿鳴館という箱自体はもう無いじゃないですか。LEIWANも4人中2人が入ったばかり。箱として受け入れる側がない状態で、新しく始まるLEIWANと今向かい合っている。それを踏まえて、それでも今、LEIWANを選ぶというのは。

PEPE:その言い方で言ったら、今、2026年の1月から現在7月まで、この世に鹿鳴館という箱は存在しない。でも、僕がやってる鹿鳴館っていうのは──ちょっと気取った言い方なんですけど──魂なんですよ。形ある箱だけのことじゃなくて。「鹿鳴館だ」「PEPEさんだ」って慕ってくれてる人たちって、たぶんその部分を汲んでくれてるというか。だから新しい鹿鳴館になっても「鹿鳴館に出たい」って言ってくれると思うんですよね。あの作りが好き、ステージの高さが好き、音響が好き、だけじゃなくて、「PEPEさんがやればどこでも鹿鳴館になるよ」みたいなことを言われるのがすごく心強いし。そういう中でLEIWANというグループを推せたのは、その先のリスタートの部分で。今、鹿鳴館があったとしても、たぶんLEIWAN推してたと思うし。そこは、あるとかないとかは関係ないかなと思います。

── ルイさんとリコさんは、鹿鳴館に行ったことはありますか。

金城ルイ:あります。自分は鹿鳴館に結構通ってたんですよ。一人でライブを見て帰る、というのをよく繰り返してて。鹿鳴館のこと自体は知ってて、実は高校生の時も何度か足を運んだこともあって。ずっと「バンドがやる箱」だと思ってたから、アイドルが出ることを全然知らなくて。でも「LEIWANだったら、COMRIZEDだったら納得だな」ってすごく思った。自分もプレイヤー側をやってたので、目黒鹿鳴館に立ちたいというのはずっとあったんですけど、今は箱が無い状態じゃないですか。でも、これから新しくどこか他の場所でやったとしても、もう一度スタートするとなったら、必ずそこでLEIWANとしてライブしてみたい。それが自分の中で一番重要なポイントかなと思います。

ユウヒ・リコ:もともと名古屋で活動してたんですけど。名古屋のイベントでCOMRIZEDを知って、「こんなかっこいいグループがライブアイドルの界隈にいるんだ」ということに驚いて。「COMRIZEDが主催してるライブを見てみたい」と思って鹿鳴館に見に行って、そこで初めてLEIWANを見たんですよ。率直に「自分もこんなかっこいいライブがしたい」と思って、LEIWANが憧れの対象になったのもその時。「鹿鳴館でやってみたい」と思ったのもその時で。私は鹿鳴館もCOMRIZEDもLEIWANも、自分の中ではめちゃくちゃ憧れの場でした。だから自分も鹿鳴館でやってるアイドルだっていいたい。

実家、そして“歩く鹿鳴館”

── 既存メンバーの2人にとって、鹿鳴館とはどういう場所でしたか。

澪・モンスター:実家……実家、実家。本当に、親だと思ってるから。LEIWANのライブって感情のアウトプットが激しい分、楽屋に戻ってきても止まらなかったりする。涙が止まらないとか、怒りが止まらないとか。あんまり表に出せないような、人に見せられないところも、私は全部、鹿鳴館とPEPEさんには見せてきて。全部受け入れてもらって、「よし、行ってこい」って外に送り出してもらって、また帰ってきて「あのライブハウス完売してきたよ」って。本当に実家です。帰るし、送り出してもらう場所で。私は鹿鳴館とPEPEさんはイコールだと思っているから。場所として大事な場所が一つ戻れなくなってしまったという事実はあるにしろ、私はPEPEさんが生きている限り“歩く鹿鳴館”だと思っています。PEPEさんがいれば、PEPEさんのいる場所で鳴る音で、また鹿鳴館に戻るんだろうなと思ってます。

卯月アヤカ:自分が家に帰るよりめちゃくちゃ毎週通ってて(笑)。いろんなことに挑戦して、外に戦いに行く、敵を倒しに行く、その土台じゃないけど、マインドもライブスタイルも、気持ちの面も強さの面も、全部鹿鳴館で学び、鍛え、外に戦いに行き。全国各地に飛んでも「行ってくるね」「おかえり」ってしてお土産を持って。そういう場所があるアイドルってなかなかいないんじゃないかなって思うんですよ。毎週主催をやらせていただいて、帰ってくる場所がある。戦いに行って帰ってくる場所がある。いろんなことに挑戦できる機会がある。恵まれた環境なんだろうなって。だから、目黒ではないけど、鹿鳴館を立てるとなったら、PEPEさんなりに、過去のアイドルさんやバンドさんの気持ちも持って、こだわり抜いて新しい場所をやってくれると思うので、楽しみですよね。また新しいところにお家が建つというのは、お引越しだね。大お引越し。またそこにLEIWANも、新しい歴史が始まる瞬間に立ち会えるのは嬉しいなと思います。

── PEPEさん的には、「ここからまた作っていく」というものに対してのモチベーションは?

PEPE:ちょっと遡りますけど、コロナで大変だった時に、みんなどこのライブハウスも怖がってライブができないって言ってて。宮田くんから聞いて覚えてるのが、何かの流れで、「PEPEさんだけが、じゃあどういうやり方でやりましょうかって言ってくれた」らしいんですよ。「ライブをやりたい、女の子たちも腐っちゃうからライブをやらせてください」と言っても、もうどこもNG、NGで「できません、できません」だったのが、僕だけが「じゃあ、どういう人数でやります?」って。お互いに模索して、逆手に取ってキミだけライブ(お客さんを絞ったライブ)ができたりとか。鹿鳴館は楽屋が事務所と隣り合わせだったから、接しやすい部分もあって。素の彼女たちを見てて、気取ってるわけでもなく、バックステージで腐ってる時もあれば、生き生きしてる時もあれば、起伏は激しいわけですよね。行ったことはないけど女子校みたいな。その中で見ていて、意識してるわけじゃないけど、自然と親心というか、学校の担任的な気持ちになってきて。さっき澪が言ったみたいに、他の会場でやる時に、言葉に出さずとも「私たちは鹿鳴館育ちだから」みたいな感覚が常に宿ってる気がするんですよね。例えばどこかのインタビューで鹿鳴館という文字が一個も出てこなかったとしても「うちのことを言ってるんだな」という感じになる。だから、他のライブハウスに行って「もう新しい鹿鳴館に来てくれないんだな」という気持ちもないですし。今はこういうタイミングだからしょうがないし、いろんなところで経験するのは糧になると思うので。新しく鹿鳴館ができた時に「やっぱりあの鹿鳴館だ」ってなってくれればいいですね。

「日常の答え合わせであってほしい」── エンタメを超えたパフォーマーへ

── PEPEさんは、もう何千、何万というレベルでライブを見てきていると思うんですけど。ルイさん、リコさんはそういう人に、逆に聞きたいことってありますか。

金城ルイ:さっき「LEIWANのMCがすごく熱くていい」って言ってましたよね。最初、それに自分も惹かれたんですよ。フロアに向けて「君と私たちでLEIWANだよ」っていうのに、グッと入り込んで。そういうMCとかライブパフォーマンスを見ていて、ライブハウスの主として、お客さんとして、一番グッとくる瞬間とか、「この時が良かったな」とか、「演者としてこういう心を持っていてほしいな」みたいな面が、きっとあると思うんです。私たちには、まだそういう初期装備が本当に薄いと思うんですね。それを、どういうマインドで今後やっていってほしいか、みたいな。

PEPE:まあ、それでもステージに出たら、楽しむことが一番なんだけどね。漠然とした言い方で申し訳ないけど、LEIWANのライブが、日常の答え合わせであってほしいな。自分が腐ってる時とか、嬉しいことがあった時に、ライブとかMCを聞いて、「僕の生き方、間違ってないじゃん」って思える。そういう支えみたいなものができるっていうのが、エンタメを超えたところのパフォーマーだと思う。澪とかアヤカとかできてると思うし、実際はお客さんの人生を背負えないんだけど、「背負ってんだよ」って気迫を二人にも見せてほしいなって思う。

ユウヒ・リコ:めっちゃシンプルな質問で。45年って、すごく長いじゃないですか。その時間、続けるって、簡単なようで難しいことだと思ってて。なんで、ずっと続けてこられたんですか。

PEPE:楽しいから。つまんなかったら秒でやめる。もちろん色んなことがあって、めんどくせえなって思うこともあるけど、それでも楽しいから。 今の子ってポンポン辞めちゃったりさ。もちろん、いろいろ事情はあると思うよ。アイドルの子とかから相談あったりもするわけ。でも「辞めたいんです」って言葉が出た瞬間に「辞めたら」って言うの。だって、もう迷ってないもん。辞めたいんじゃん。僕、お前の人生に責任持てないから、「いやいや、我慢して続けな」って言う気もないでしょ。だからやっぱり、楽しんでやるしかない。

華と毒 ── ステージで惹きつける“何か”

── 以前、インタビューでPEPEさんが「ステージに立つ人が化けるかどうかの差」について、「華があるか」だとおっしゃってました。それは「天性のものだけでもなくて、経験で身につく」という話をされていたと思うんです。今、加入してすぐの2人がここにいます。45年ステージを見てきた人からすると、この2人に“華”を感じるか、感じないか。

PEPE:まだ感じないですね(笑)。天性で持ち前の何か、一風変わり者的な子っていうのは、華とか毒がある。それがちゃんとステージに反映されればね。天性の子もいれば、さっき言ったみたいに、普段は地味だけどステージで爆発するタイプもいるし。それも経験上で。さっきも言ったけど、まだお二人のライブを見てないんで、なんとも言えないですけどね。

── 「華がある」というのは、PEPEさんからしたら結構ニュアンスな言い方というか。例えば存在感みたいなものだったり。PEPEさんが思う具現化する言葉ってありますか。

PEPE:なんだろうな。「華」と一緒に「毒」とも言うんですけど、華も毒もなけりゃ「凡」というか。ずっと、気がついたら目がいっちゃうみたいな。X JAPANのhideさんなんてまさにそうでしたからね。ドラムソロがあろうが何だろうが、気がついたらhideさんを見ちゃう。そういう、動きとかそういうことじゃない、惹きつける何か。45年やってても、具体的に別の言葉に置き換えるとなると難しいんだけど。街並みとか散歩でも何でもいいけど、目を引く光景ってあるじゃないですか。そういうことだと思います。

── それは経験で身につくという話でしたが、どこで身につくものだと感じますか。

PEPE:個人の研究の仕方じゃないですかね。今なんて映像はいくらでもあるわけだし、YouTubeだろうがDVDだろうが、とにかく見る。あとはライブに行って対バンをできるだけ見るとか。要は見て学ぶ。反面教師もいるじゃないですか。僕の人生論もそうなんですけど、僕、なりたい人はいないんですよ。でも、なりたくない人はいっぱいいるんですよ。「こういう風になりたい」だけだと、そこで終わっちゃうから、「これくらいは超えなきゃな」という意味で見ていった方がいいと思うし。「こうはなりたくない」もいっぱいいると思うんですよ。

── その華を感じる感じ、自分がどうなっていきたいか。今、ステージ上の自分をイメージした時に「もっとこうなりたい」を持ってると思うんです。PEPEさんの「華がある、華がない」という話に被せた時に、自分はどうだろうと。

ユウヒ・リコ:まだライブをしてて、ユウヒ・リコじゃない、素の自分がパッと出てきちゃう時があるので。そうすると普通の人間になってしまうから、まだ自分には華とか毒がないなって感じました。

金城ルイ:それこそ同じような感じで。さっき初台DOORSでライブした時に、DOORSの店長さんとお話しして「何が足りないのか」を聞いてアドバイスをもらった時に、やっぱりキャラクターをしっかり固めきれてない、素の自分が見え隠れするというのがすごくあって。候補生の時はそれで良かったんです。自分自身を売り込む場だったから。でも今は「LEIWAN」というパッケージがあって、「金城ルイ」という名前になったからには、そのパッケージングの中身を守らないといけない。それを守りきれてないなというのを、DOORSの店長さんに「こうした方がいい、ああした方がいい」と言われて、すごく細かくわかったんですよ。私、もともと役者をやってたんですけど、「これって役者と同じだな」と思って。何かを演じるにも引き出しがないとできないし、自分と共通するものがないとできない。まだ自分の役についての探求の解像度が低いんだろうなと。「こういうパフォーマンスがしたい」につながる、そのキャラクター性をこれから引き出していくのが“華”につながるのかな、とめちゃくちゃ今、思ってます。

宮田:シンプルに、2人はここから修行ですね。

金城ルイ:修行、いっぱい積みます。

── 2人(新メンバー)が入ってからのことを、2人に聞いていきます。

「メンバー間の差はない。全員LEIWANのメンバー」

── 2人がLEIWANに入った時は、事務所にAIBECKがいて、鹿鳴館という場所があって、毎週火曜に通う場所があった。それが育ってきた場所じゃないですか。でも今、新メンバーの2人には、そういうホームみたいな場所が無い状態で。自分たちが育ってきた環境と、今の2人の環境ってちょっと違う。その差について、何か感じることはありますか。

澪・モンスター:最初、デビューした時は、ライブをする時に音を出すスタッフさんも付いてなかったんですね。CDを開いて、セットリストを自分たちで書いて、そこで得たものは、何に対しても「ありがたい」と思える気持ちだったんですね。スタッフさんがいるのが当たり前じゃない。チェキ撮影をしてくれるスタッフさんがいる、遠征に連れてってくれる運転手のスタッフさんがいる、曲を作ってもらう、最初から衣装がいただける。それこそ、この前の新体制デビューライブがしっかり私たちのためだけのワンマンライブであったこと。私たちのデビューは対バンだったんですよ。下積みをしたから偉いとは思ってなくて、でも、あの時の自分たちだから教われたことがいっぱいある。

今のありがたい環境が整っているLEIWANに受かるポテンシャルがあった2人だから。私たち、今LEIWANのオーディションを受けたら落ちてる(笑)

卯月アヤカ:落ちてる落ちてる(笑)

澪・モンスター:あの時だったから滑り込めた、というだけであって。他のアイドルさんと比べて悔しい想いをしたり、宮田さんに振り向いてもらえなくて、必死にアピールして、どうにか「LEIWANに曲を」「ライブを見に来てほしい」「振り向いてほしい」と、あの必死な期間は、今だからこそ大事な期間だったなと思う。

私たち、明日Zepp Nagoyaでライブなんですけど、入って1週間でZeppに立たなきゃいけないプレッシャー。この2人は、つい先日まで私たちの他にメンバーがいて、しかも同じ人数だから、構成もどうしても一緒になるし、フォーメーションも変わらない。その比較されるプレッシャー。すぐに最低限以上のことを求められる。今日のライブとか本当にそうだと思うんですけど、入ってすぐに「勝てよ」「完成されたループに勝ちに行け」と言われるプレッシャーは、あの時の私たちにはなかったと思う。「マジで悔しい」って暴れ回りながらやってたから、プレッシャーというよりは、ある意味自由にやってたと思うけど。2人は、言葉にし難い、体現しようのないプレッシャーと苦しみ、精一杯やってもまだダメと言われるもどかしさを抱えて、それを見せずにLEIWANとして立とうとしてくれている。だから、どっちが初期メンバーだから偉いとか、新メンバーだから分かってないとか、そういうの本当にセンスねえなって思うんで。飛び込んできたやつが勝ちだし、続けてきたやつが勝ちだし。勝ち負けでもないのかもわかんないですけど、リアルタイムでステージに立ってることが、私はただただ事実で、ただただ素晴らしい結果だと思わせたいので。メンバー間の差はないです。全員LEIWANのメンバーだと思います。

卯月アヤカ:「くそー!」って想いから始まって、デビューライブから、それがあるから、今のこのLEIWANの反骨精神というか、がむしゃらに全て120%ぶつける思いがずっとある。あの時、綺麗な衣装でちゃんとしたワンマンでデビューしてたら、こんなに貪欲にはなってなかった気もするし。7年分の楽曲を、私たちは曲作りも振り入れからやってるけど、それを1ヶ月で覚えるって。2週間ないくらいで、1日に2曲、3曲。それと同時に新曲のレコーディングも進めて、頭がパンクするようなことをしてる。それでも「楽しい」って言ってくれる、その心自体がLEIWANなんだなって。「もう無理!」ってなってたらLEIWANやっていけないから。今日も「くそー!」って大泣きして(笑)

宮田:今日の企画は「LEIWAN vs EMPATHY」が第1部、「LEIWAN vs AIBECK」が第2部だったんですけど、両方負けたんですね。言葉で伝えるより、体感して気持ちで分かった方がいいだろうと思って、試練だと思って与えたんですけど。澪ちゃんに思いっきりステージで蹴られました(笑)「勝てよ」って言われても分かんないことが、実際やって「うわ、全然ちげえわ」「レベルが違う」って感じる。そこを肌で感じて、成長スピードを一気に上げるためにやったんで。今日がなくて、普通に対バンできる時から、ぬるい感じでやってたと思うんで。2人は辛いと思いますけど、グループのためだと思って。

今は絶対勝てるわけないよ(笑)。

澪・モンスター:え、勝てるし。

宮田:いや、絶対勝てるわけないんですよ。6年間詰め込んできたAIBECKと、まだ1ヶ月のLEIWAN。急成長させるための手段だと思って。この負けたまま終わらんと、2ヶ月後にもう一回同じ企画があるんですよね。そこで自分らがどんだけ成長を見せるか。今日の1日で終わったら「なんやってんあれ」だけど、2ヶ月後がある。絶対に見返さなきゃいけない。誰がどう見ても「LEIWAN最高やな」って思わせなきゃいけない。

── LEIWANは下剋上がテーマですしね。

宮田:そう。下剋上しないといけない。

ライブハウスとは ── PEPEさんの40年

── この連載自体がライブハウスのことを伺っているんですけど。ライブハウスでしか起きないこと、PEPEさんが感じる「ライブハウスとは」を聞かせてください。

PEPE:昨今はちょっとわかんないですけど、僕が入ったのが87年なんで、今からもう40年前ですよね。40年前のライブハウスって結構やばいところだったんですよ。学校から「行っちゃダメ」って言われるくらいの。行ってたら怒られて、親からも、家を閉じ込められるみたいな感じだったし。今、そういう世代の子たちが演者としていけてるじゃないですか。10年前くらいまではビジュアル系が流行ってて、そのちょっとヤバめな感じがまだあって。でも、ビジュアル系が一般認知されて、X JAPANが紅白に出られるようになって。バラエティ番組で目黒鹿鳴館、老舗のライブハウスみたいなのが一般的になってから。僕なんか、東京に来て「音楽の仕事がやりたい」「ライブハウスをやってる」と言っても、親はピンときてなかったですからね。「どっかディスコの店員かな」くらいで。僕も初めは、曲を作ったりバンドを組んで。でも、ルックスも良くて、いい曲を書いて、いいライブをやってるバンドが全然売れてないんですよ。それを目の当たりにして「東京、厳しいな」と。それと同時に、裏方の音響の仕事が楽しくなってきちゃって、そういう風にシフトを変えていったんです。裏方から見ると、当時のライブハウスのお客さんの暴れ方っていうのが……。

今の無規制って、無規制だけど秩序がある無規制なんですよ。あの当時は本当に無規制だったんですよ、何でもありなの。2階席からダイブしたりとか。うちらの予想以上のことがあるから、うちらも本気で止めるじゃん、怪我しちゃうから。今、僕とかデンさん(鹿鳴館スタッフ)とかも優しくしてるけど、昔はもう、首根っこを掴んで引っ張り出してってやってたからね。表も出待ち入り待ちって人だまりができちゃう。全然言うことを聞かないし、目が合ってる状態で「君に言ってるよ」って話なのに、反応もしない。そういう時代があったから、うちらは強気でやってた。本気になって怒る大人がいたから学べることがあったと思ってて。ライブハウスって、学校で嫌なことがあったりしたストレスの発散の場みたいな。それは今の時代も変わらないと思うんですよね。純粋に音楽が好きで楽しみたい人もいるけど。

あと、よく演者にもバンドにも言うんですけど、やりすぎるくらいがちょうどいいのよ。「ちょっと私、やりすぎたかも」でいいの。例えばステージングにしても、自分がこれだけ動いたと思っても、向こうで見てるお客さんから3メートル離れたら、もう動いてないのと一緒だから。一番後ろのお客さんからも「すっげえ動きだな」って思えるくらい動かないといけないと思うし。ちょっと話が逸れちゃったけど、ライブハウスっていうのは、日常から離れたところで、何でもありで暴れ倒して、音楽をじっくり聴くでもいい。そこにしかない空間だったり時間だったりっていうのは、ずっと40年間変わらないかな。

── PEPEさんが前に「ライブハウスは音を出してナンボ、人が来てくれてナンボ」って言っていたと思うんですけど。今、鹿鳴館が箱として無い状態で、音を出せる場所も、人が入れる場所も無い。移転という前提はあるにしても、未来に繋げていく時間の今、PEPEさんにとってどういう時間ですか。

PEPE:ざっくり言うと、割と冷静ではあって。今までずっと毎日通ってた時には感じなかった部分。他の会場に行ってみて「こういう作りなんだ」「こういう音を鳴らしてるんだ」「こういう照明なんだ」って見て、勉強するというか、見つめ直す時間ではあるので。今は箱としては無いですけど、「早くやりたいな」というのはあって。僕だったら「LEIWANを見て、この照明だったら僕はこうするのに」とかはありますけど。今、鹿鳴館が無いことに対しての喪失感はあんまりないんですよ。早く立て直さないと、新しい場所を見つけないと、というのはあるけど、そんな悲壮感でもないので。「音を出してナンボ」という僕の言ったことを撤回するつもりでもないけど、鹿鳴館ってそこだけじゃねえのかな、という感じですね。SNSで「鹿鳴館が恋しい」なんて言われると、ちゃんと休んでる時でも、音が鳴ってなくても生き続けてくれてる、鹿鳴館ができてるんだな、という感じはしますよね。

バンドセットのLEIWAN ── 「オケの上位互換とは言わせない」

── 鹿鳴館でLEIWANがバンドセットをやったのが初めてだったんですよね。普段オケでやってるLEIWANを見てて、バンドでやってるLEIWANを見て、何か違いを感じたりしましたか。

PEPE:もう違う味だったっていうか。同じカレーを食ってても、黄色いカレーと黒いカレーを食ってる感じ。どうしても、うまいカレーだったってことです(笑)。LEIWANのバックにいるメンバーはしっかりしてて、出過ぎず、ボトムを支えて、黙々とやってる感じでもなく、ちゃんと見せる。LEIWANが前面にいて、オケの時と動きが変わってるわけでもないけど、バンドのメンバーを置き去りにするわけでもなく、コミュニケーションを取りながらやってるから、使い分けはうめえなって感じですよね。

── 澪さん、ドヤ顔してますけど(笑)。PEPEさんが「使い分けがうまい」と言っていたのを受けて、そのドヤ顔の根拠は。

澪・モンスター:せやろって(笑)いっぱい考えたから。言われたくなかった言葉が「オケの上位互換」って言われることで。バンドセットになったライブをお客さんが見て、褒められるところが「音の圧が良かったね」だけだとしたら、なんて情けないんだろうと。前メンバーが元バンドマンで、いろんな知識を教わりつつ。でも私たちはLEIWANだから、LEIWANのバンドセットでしか見れないものを出したかったんですよ、どうしても。「お金かけてもらえてよかったね」みたいなのだけは嫌で。「LEIWANのバンドセットをもう一回見たい」って言わせなきゃいけなかった。一回やって「いいものになりましたね、お疲れ様でした」「念願だったもんね」みたいな、記念のライブみたいになったら嫌だったから。そうしないためにすごい話し合って。でも、うちらってバンドマンじゃないから、どうしても格好つけても、バンドに憧れたアイドルみたいになっちゃうじゃないですか。そう見られてもしょうがない、ただ、これでしか見せられないものを見せる。あんだけ脳みそのタンパク質が固まるくらい、スタジオでバーバー言い合って、後ろのバンドメンバーに怒られながら「ああじゃねえ、こうじゃねえ」って言われてきて、1年間バンドセットをやってきたからね。

卯月アヤカ:私は生まれてこのかたアイドルだったんですよ。バンドで「ウェイ!」という感じでもなく。ミオちゃんもそうだし、もともとバンドから来てくれた子よりは、もうゼロに近い、本当に「はぁー」みたいなところから教えてもらったり。でも、バンドセットで一緒に回ってくれる方々も優しくて、わがままを聞いてくださったり、「こうしたいんだったら、こうした方がもっとかっこいいよ」って。「弾いてください」というより、一緒にLEIWANのバンドを良くしようって積極的にやってくださる。しかもLEIWANの楽曲を作ってくださる方もギターでいらっしゃるから、曲をそもそも知ってくれてる方がバックにいる心強さがすごくあって。だからこそ自由にチャレンジできる。もっとより良くしていこうもあるし、楽しい。バンドセットも楽しいな。産声あげたその日からアイドルだから、まさかLEIWANに入って、バックに強力な方々を従えて一緒に戦いに行くなんて。LEIWANじゃないとできないことがまだあるんだなって。

宮田:バンドセットに関して。オケとバンドセットを普段からずっとやるようにして、いいところだけを抽出して作っていった感じですね。オケでも背中にバンドを入れる時があるし。バンドセットだけど「今日はオケの方が良かったな」と思う日もあるんですよ。だから両方いいんやなって。メンバー次第やなって思ってます。メンバーの気持ち次第で全て変わる。後ろがどうとか、会場がどうとか。めっちゃ狭くてもめっちゃ広く感じる時もあるし、めっちゃ広いのにめっちゃ狭く感じる時もある。バックが生か、オケか、特に関係なくて。そこの成長は感じてましたね。だから、どっちでもいいかなって最近は思ってます。

澪・モンスター:一周回った人だ(笑)。

宮田:一周回りました(笑)。

── でも、それって「パフォーマンスがバンドの方がいい」「オケの方がいい」ということでもないと思うんですけど。一つのパッケージとして見た時に、さっきPEPEさんが言ってた「華」「毒」って、澪さん、卯月さんにはあるんじゃないですか。

PEPE:ありますね。 ── フロントマン次第ですよね。

宮田:王道アイドルが急にバンドセットになったところで「意味ないやん」「何見せられてんやろ」ってなるんですよ。

PEPE:アイドルの子たちも分かってないし、運営も分かってない。流行ってるからやるみたいな。やらされてる感というか、楽しんでる感もないし。

澪・モンスター:そう思うと、うっちゃん(卯月)は頑張ってるね。一生懸命、理解しようとしてくれてたから。バンドセットでやる意味を、全く触れたことのない文化だったのに。

PEPE:そうだよね。「分かんない、楽しめない」ってなっちゃうか、「ワクワクする、楽しんじゃおう」ってなるかで、だいぶ違うじゃないですか。

澪・モンスター:経験値がないから楽しい。

PEPE:そっち側に倒れる子だったから、多分いいわけですよ。

卯月アヤカ:でも、知識があって「かっこいい」が分かる子がいるから楽しい。みんな無知だと、意味も分からずライブをやるんだけど、「かっこいい」が分かってる、バンドセットのそもそもの意味が分かってる子たちが内情にいる。それが、バンドセットをやってたLEIWANの強みだなと思いました。

ステージの高さ、70センチ ── 鹿鳴館という設計思想

── 鹿鳴館って、天井が高くステージも高い。演者の頭からつま先までしっかり見える空間ですよね。それは初めからそういう設計で作ろうと思って作ったんですか。

PEPE:少し劇場のスタイルで作られているところなので。初めの図面とかは残ってないんですけど、鹿鳴館のステージ、70センチあるんですよ。70センチで、天井も吹き抜けで6メートルくらいあるのかな。70センチ取ったところで残り5メートルくらいある。でも、そこまである箱なんてほとんどないと思うんですよ。天井が高いなと思ったのは渋谷のcycloneとか今日の初台DOORSとかかな。 でっかい、大きめの箱のZeppとかは別なんで。小さい箱だと天井が低いのがいっぱいありますもんね。ステージもすごい低いし、逆につまずいちゃうけど、みたいな。うちもそんなこと言ってても、天井が高いのを探してたら永遠に見つからないこともあるので、ある程度、妥協ラインはあるんですけど、それにしても「ステージの高さ50センチくらいは欲しいよね」というのが、今、探しているチームの中であるから。天井やステージの高さ、つま先まで見えるというのは、お客さんから見えるだけじゃなく、演者の意識も全然違うと思うんですよ。足のつま先まで、ステップ一つ間違えられない、ちゃんと見せる意識が出てくる。鹿鳴館も、お客さんが入ってる時は人の頭で隠れちゃうからつま先まで見えないですけど。でも、やっぱり意識の問題かな。

── 演者として、ステージが高いってどう感じますか。

卯月アヤカ:本当に、一番ドアの近くにいる人の顔まではっきり見える。だから「後ろまで届けよう、届けよう」という気持ちがすごい。高いところだからこそ、こっちの人も見えるし、一番多くの人が見える。だったら「全員に届ける」って意識が出るから、好き。好き(笑)

澪・モンスター:ステージが高いからじゃなくて、鹿鳴館だから好きだったかも。

宮田:今は別の会場を借りてやってるんですけど、全部ステージが高いんですよ。初台DOORSも高いし、club asia、あと名古屋ReNY、いつでも鹿鳴館から戻れるようにちゃんと意識して準備してるんですよ。だから、ステージが低かったらコケますよ(笑)。

澪・モンスター:知らんかった(笑)

── そこはずっと意識してるんですね。2人(新メンバー)は、LEIWANでは低いステージって経験してないってことですよね。昔、別のグループでやっていた頃と比べて、ちゃんと見渡せる状況が続いていることの差って、自分の中で何か感じるものはありますか。

ユウヒ・リコ:ステージが低いと、光の加減もあって奥まで見えなかったり。より、自分の声とか思いとか表情が、お客さんに届いてるのかなって思うことがよくあったので。私、LEIWANで一番身長が低いんですよ。やっぱり見渡せるとなると、向こうも「あ、こっちのことちゃんと目が合ってるな」って、全てが伝わってるのを見れるので、やってて楽しいです。

金城ルイ:以前アイドルをやってた時は、正直人がいない、全員見えてる状態がデフォルトだったんですけど。ライブハウスじゃなくて劇場と置き換えた時──自分、舞台役者だったんですけど、舞台をしてると考えた時に、お客さんはシーティングだけど一人一人の顔が見えるんですよ。お芝居してる時に、顔が見えると空気を感じ取れるし、セリフを言う時に「今日は相手に投げるボールをちょっと違うように投げよう」とか、同じセリフでもまた違った形になる。それがすごく良かったんですね。アイドルをしてる時もいろんなライブハウスに行って、鹿鳴館も行って。お客さんが見えてるから、LEIWANが言う言葉も、その日によって全然違った空気を感じ取れるし。奥まで見渡せる空間、お客さんが見えるというのは、本人たちに直で届くものだから、めちゃくちゃ大事なポイントかなって思います。

新しい鹿鳴館へ ── 「12月11日で終わったものを、12月12日に繋げたい」

── 新しい鹿鳴館ができてLEIWANが出た時、PEPEさんがLEIWANにやってほしいことはありますか。

PEPE:一発目は、バンドとかじゃなくて、今まで目黒鹿鳴館でやってきたことで見たい。「この場所でも、ちゃんとLEIWANはこう見えるんだ」という感じを見たいですね。新しいことは2回目、3回目からでいいと思うので。特に、この立ってた2人(澪・卯月)は、新しい鹿鳴館でも、あの目黒を感じてほしいですし。似た作りにするわけじゃないけど、やっぱりどこか「鹿鳴館だな」って。あそこの目黒の鹿鳴館で感じた何かを。ライブハウスって、ライブハウスの人間だけで作るものでもないし、出てる演者とか、運営さんとか、お客さんとか、みんなで作っていくものだから。

── 新しい鹿鳴館でなにがしたい?

澪・モンスター:ライブー。 ── まぁそれはそうですよね(笑)じゃあ新しい鹿鳴館でPEPEさんに何を見せたい?

澪・モンスター:まだまだ成長するから、見守っててほしい。今まで通り。新しいところだからって特別に構えるんじゃなくて、「これが鹿鳴館だ」って感じだから、生きてるし。今も見守りに来てくれる、見守っててくれるから、変わらないかも。

PEPE:だから僕の中では、あれを繋げたいんですよね。あそこから改まって仕切り直し、じゃなくて。12月11日で終わったんですけど、その「12月11日で終わったもの」を「12月12日」にしたいんですよ。こないだ目黒(の跡地)に行ったんですよ。ビルにも入れなかったし、外から見るだけだったんですけど。だけど、全然懐かしくなかったんですよ。僕、12月26日に鍵を返したんで、その日以来だったんですね。もうちょっと感傷的になるのかなと思ったんですけど、全然なかったですね。僕の中で、あそこはもう終わったんですよ。「あそこでまだやりたかったな」という気持ちはもうなく、とにかく早く新しいところを見つけて、新しい鹿鳴館の続きをやりたいって気持ちなんで。新メンバーも変わらずやってもらえて、そこでまた成長してもらえて、って感じかな。

こじらせた客席 ── ルイが背を向けていた場所

── 新メンバーの2人にとって、鹿鳴館は特別な場所になっていくと思うんですけど、そこをどういう場所にしていきたいですか。

ユウヒ・リコ:澪さんが「実家」って言ってたじゃないですか。 「ただいま」「行ってきます」って言えるところって、すごく素敵だなって思って。今まで、そういう箱ってあったのかな……自社箱みたいなのはあったんですけど、こんなに運営さんと親密にコミュニケーションを取る、という感じではなかったので。毎回リセットじゃないですけど、「よろしくお願いします」みたいな。「ただいま」「お帰り」みたいなところではなかった。今の一人暮らしの家に帰っても「ふわっ」となる瞬間はあるんですけど、やっぱり地元とか、親の家に帰るのとは違うじゃないですか。そういう場所がライブハウスにあるって素敵だなと思ったので。自分も「行ってきます」って言えるところにしたい。

金城ルイ:それこそ、鹿鳴館はすごく、個人的にこじらせた感情を置いてきた場所だったんですよ。鹿鳴館は他のライブで何度も観に行ってたし、LEIWANがライブをやってるのは知ってたんですけど、LEIWANの鹿鳴館のライブに行くまで半年くらいかかっちゃって。当時、他に活動してた時に、この人たちにどう頑張っても追いつけない、今のグループで何をしても、というのがすごくわかってたから。「鹿鳴館に行ってしまったら負けだ」と思って、なかなか行けない場所だったんですね。目黒の駅から鹿鳴館までの坂を上り下りして、予約したのに行くかどうか迷う、というのを毎週火曜、それを3回くらい逃して。無断キャンセルになってて、申し訳ないことしてて。それくらいこじらせてたんです。自分にとってはすごく目を背けたい場所だった。LEIWANがいる鹿鳴館は。他のアーティストさんがいる鹿鳴館ではそんなこと感じたことがなかったんですけど。最後に「鹿鳴館、もうラストです」という日、めちゃくちゃ仕事が入ってたんですけど「行かないといけない気がする」と思って、仕事中に「すみません、帰ります」って。「なんで?」「帰らないといけないから」って(笑)めちゃくちゃ怒られながら、鬼電が入ってる中でライブを見る、とんでもない状況でLEIWANのライブを見たんですけど。そんな、いっぱい感情を抱いた場所だったから、まだ自分の中で消化しきれないところがたくさんあって。だから今、LEIWANとして、PEPEさんがやってる鹿鳴館に帰ってこれたら、素直な気持ちで一歩踏み入れて、ステージに立って、まずは素直に楽しむ、という場所にしていきたいという気持ちがあります。

女性としてのマニフェスト

── 『GIRLS特区!!』は女性アーティスト特化メディアということで、女性としての生き方、矜持を聞かせてください。

卯月アヤカ:世界一可愛く生きるぞ。どんな時も可愛く美しく、ステージに立っている時は辛そうにしない、ニコニコ笑顔で。自信満々に自分が世界一可愛いと思って活動してます(笑)

澪・モンスター:アイドルという職業を選んだので、非日常でありたいと思っています。日常で出会うことのない狂気とか可愛さとかを。「澪・モンスター」と自分(澪)は一緒なんですよ、裏表みたいなのがない。「この時は澪、この時は澪・モンスター」が私はなくて同じだから。目が合ったら食ってやろうと思ってます。

ユウヒ・リコ:ずっとギャルでいたいです。マインドはめちゃくちゃネクラなんですよ。言われたことを100%受け取ってしまうタイプなので。だけど、LEIWANに出会って、ユウヒ・リコになって、自分の中にあったギャルみたいなマインドがクワーッと引き出されていて。それが、元の自分の部分を守る盾じゃないですけど、いい意味でギャルマインドで。「一生ギャル」って書いてある、みたいな(笑)

金城ルイ: 私、多分一番、未知の生き物だから。「何が入ってきた?」って感じだと思うんですけど。髪が長くて黒髪ロングだからとか、スカートを履くからとか、可愛いものが好きだからとか、そういうのが「女性的」と世の中ではされてますけど。受け入れて好きでやるのも生き方だと思うんですね。でも自分の場合は、それを強制されるのも嫌だし、好きなようにしたいんですよ。髪も短くしたいし、ズボンを履きたいし。可愛いより、かっこいいものが好きです。女性とか男性とか、そういうんじゃなくて、「金城ルイ」という生き物として生きていきたい。美輪明宏さんとかみたいに。

澪・モンスター:美輪明宏さんになろうとしてるの?!

金城ルイ:そう!なりたい!「金城ルイという生き物になりたい」。

澪・モンスター:みんな、矢印の向きが逆なんですよ。誰も同じ方を向いてない。

一生可愛くいたい人、一生ギャル、未知の生き物、化け物(笑)

さっきDOORSの店長さんにも言われたもんね。LEIWAN、まとまりはないけど……まとまらない方がいいんじゃないー。って(笑)

ユウヒ・リコ:一人一人、それぞれの個性で出していけばいいんだよ、みたいな(笑)

楽屋のでっかい鏡 ── PEPEさんの流儀

── PEPEさんに。ライブハウスとして、女性を迎える側として、何か気をつけていることはありますか。

PEPE:気を付ける?気を付けるか。

澪・モンスター:はい。この人は、LEIWANのために楽屋にでっかい鏡を貼っ付けてくれたんですよ。 出番前にメイクや髪型を空き時間で準備しやすいように。それまで、こんぐらいのちっちゃい鏡を各自持ってきてたんですけど、やりづらそうだからって、ドーンってでっかい鏡を、LEIWANがいつも使ってる楽屋に貼ってくれて。

PEPE:事務所の前にテーブルがあって鏡はなかったんですけど、LEIWANが定位置だったんで。奥の楽屋がEMPATHYになったりAIBECKになったりしたんですけど、LEIWANはあそこが定位置だったんで。

気をつけてたことか。何もないですね。気をつけるとしたら、全部のライブを見て感想を聞かれた時に少しでも言えるようにしとこうとは思ってますね。「良かったよ」だけだと月並みすぎて「見てねえんだな」ってバレバレじゃないですか。本当にもう、命を懸けてエンタメの世界で生きていこうって思ってる人たち、頭がバグってる子たちなんで(笑)。バグり倒してほしいですよね。普通の一般の人の考えだとできないことをやってほしい。それが刺激になるし、その成長過程が見れるのも楽しいですし。楽しませてもらいたいために、自分も言いたいことは言っていくし。すごくいいグループだと思ってても当たり外れがちょっとある時もある。でも、その外れを引いちゃったお客さんは、その日をすげー楽しみにしてた1日かもしれない。だから外れは無くさないといけない。そういう意識を、この親父として、宮田くんとは違う視点で意見を言ったり、サポートできればいいのかなと思ってますね。

── 鹿鳴館は今、再始動に向けてクラウドファンディングを実施しています。読んでくれた方に、今後の鹿鳴館のことで伝えたいことがあれば。

PEPE:COMRIZEDの方もリターン品を提供してくれているので、サポート、ご支援いただければ、それしかないですね。今回も日本のヘビーメタルの人たちの商品を出したんですけど、それを出した時に、支援してない方が何十人もバーっと来て「知らなかった、鹿鳴館のクラファンやってたの?」みたいな方もいるんで。COMRIZEDが出したことによって「鹿鳴館クラファンやってたの?」って人もいると思うし。今回こういうのが出て、また知ってくれれば、嬉しいですね。

── じゃあ、一言ずつ最後に、読者の皆さんにメッセージをいただきたいです。どうしようかな、締めるのかな。……こう言ってたんで、こういきましょうか。

金城ルイ:この記事を読んで、初めて私たち新メンバーのこと、内情を知ってくれた人もいると思うし、2人のことをもっと深く知れる記事だと思うので。思い返して、見返して、もっと自分たちに興味を持ってもらえたら嬉しいです。「この新体制の4人で新しいLEIWANなんだ」ってやっていって、「この人たちの音楽を見たいな」って思ってもらいたいですし。この4人が鹿鳴館でライブをしている姿を想像しながら読んで、その日が来る時に「おめでとう」って直接言ってもらえたら嬉しいなって思います。

ユウヒ・リコ: 今、まだデビューして1週間、この世に誕生したばかりみたいな感じなんですけど。2027年4月1日にZepp Shinjukuが決まってたりするので、どんどん階段を駆け上がっていった時に、デビュー1週間の頃の気持ちが記事で残ってるのってすごく貴重だなって思うので。一緒に段階を踏んでいって、「あの時こうだったよね」って一緒に思い出してくれたらなって思います。

澪・モンスター:澪、自慢があって、PEPEさんに「澪・モンスターは神の子だよね」って言ってもらったんですよ。アイドル人生の一番の自慢になるくらい、自分の中で誇りで。鹿鳴館は、澪・モンスターしかり、LEIWANの物語の中でなくてはならない、本当に大事な存在なので。新しい鹿鳴館が立つ、その日を楽しみに。新しい鹿鳴館が立ったら、まず来てください、鹿鳴館に。澪が案内してあげますよ(笑)。

卯月アヤカ:出来る?ほんとに?(笑)

澪・モンスター:大丈夫。何故なら神の子だから(笑)私、売れなきゃいけないし、恥じない活動をしなきゃいけないという責任を、とても重く背負っている気もします。澪は、恩返しができるような素敵なアーティストになれるように頑張ります。

卯月アヤカ:いっぱいアイドルがいる中で期待をしていただいて。「LEIWANだから対談したい」って言ってもらえたのは、どんな時代、新しい風が吹こうとも、LEIWANを信じてくれてるから、今日こうやってお話しできる機会をいただけたと思うので。新しい鹿鳴館ができるまでに、この4人で「かっこいいぞ」っていうLEIWANになって、新しい鹿鳴館に立った時に、PEPEさんを「あっ」と言わせられるような。でも、その先の未来も一緒にワクワクして、また背中を送り出して、ボロボロになって帰ってきて「おかえり」と言ってもらえるような、そんなLEIWANになっていきたいなと思うので。早く鹿鳴館が復活したら嬉しいな。私たちだけじゃなくて、ファンの方も待ってると思う。また一緒に、成長してる姿を見てもらえるワクワクは、すごい大きいです。

── じゃあPEPEさん、最後に、読者の皆さんに。

PEPE:今こういう風に休業に入って半年経っちゃいましたけど、正直あとどれくらいかかるのかわかんない。あんまり妥協しない、と言ってもいられないところもあって、今クラファンになってますけど、やっぱり自分が納得いく形でやりたい。LEIWANにしても、他のバンドの演者にしても、「前の鹿鳴館の方が良かったな」というところは作りたくないし。新しくなったら「鹿鳴館だね」って言われたいので。そこに出てくれる演者の人たちと一緒に作っていきたい。今までもそうだったんですけど、新しいところも一緒に作っていきたいと思っているので。お客さんも、自分たちの肌で感じてね。

Interview / Photo:柴 正明

目黒鹿鳴館 クラウドファンディング

PEPE氏が再始動を目指す目黒鹿鳴館は、現在クラウドファンディングを実施中。

プロジェクト:【鹿鳴館再始動に向けて】日本のロックを生み続けてきた場所を、もう一度。
実施:目黒鹿鳴館
募集期間:2026年7月31日(金) 23:59まで
支援CAMPFIRE プロジェクトページ


LEIWAN 公演情報

公演概要

公演名:LEIWAN one-man LIVE 『新時代』
日程:2027年4月1日(木)
会場:Zepp Shinjuku
時間:前物販あり / OPEN 18:00 / START 19:00
Official Websiteleiwan.tokyo

チケット情報

先行前売りチケット 発売日時:2026年7月13日(月) 22:00~
VIP Ticket:¥50,000
SS Ticket:¥30,000
S Ticket:¥15,000
N Ticket:¥2,000
手売りTicket:¥1,000

※各1D別