雨音とアプローズが、10月20日に渋谷WWWで4周年ワンマン「Name of the Flowers」を開催する。グループにとって過去最大の会場になる。
デビューは2022年10月10日。メンバーの卒業が続くなか、彼方玲はひとりでワンマンのステージに立った時期もある。
2025年11月に日野あすか、2026年3月に葵ゆのが加わり、いまは3人。統括プロデューサーのTiGも交えて、この日までのことを聞いた。
お客さんの顔が、はっきり見えた
── デビューが2022年10月10日。玲さん初期メンバーですよね。
彼方玲:そうでございます。
── 始まった時のこと覚えてますか?
彼方玲:今でももう鮮明に。SEが鳴った瞬間の下北沢MOSAiCの袖のことが、今でもライブ前のSEが鳴ると出てきます。
──初ライブのことがその鮮度で出てくる。その初ライブはどうでした?
彼方玲:初ライブはもうライブ中の記憶って実はあんまりないんですけど、はっきりお客さんの顔が見えたことだけはすっごい覚えてて。MOSAiCって壁が白いのと、ステージの高さもあってフロアが見やすくてはっきり見えた。後からプロデューサーから聞いた話で、MOSAiCを選んだのは、デビューライブに来てた人の顔を覚えててほしいから、この景色をはっきり覚えててほしいからっていう理由だって。まあ、まんまとそれで覚えてますね。
雨のコンセプトが、晴れに近づいた
── グループ名が雨音とアプローズでテーマが「この雨が上がったら、きっとあなたと二人で。」。デビューの時からですか?
彼方玲:初めは「自信はないけれど、あなたの背中を押してみたい。」っていうコンセプトだったんですよ。初期メンバーは2人とも割と自信はない方で、もう一人のメンバーは経験者ではあったんですけどそんなオラオラした子ではなかったし、私は初めてのアイドルがここだったから当然自信がなくって、そういうコンセプトだったんですね。ちょっぴり自信はないけれどあなたの背中を押してみたい。そこから体制も変わって、私も1年2年ってやってて新しいメンバーとかも入ったりして、ちょっと「そろそろちょっぴり自信はないけれど辞めない?」ってなって。そろそろ自信もついてきたかもっていうので、変わりました。「この雨が上がったら、きっとあなたと二人で。」
TiG:ソロ期間に「自信はないけれど」っていう言葉を発し続けるのも違うなと。その後、体制がまた変わった時にちょっと「もう自信ないっていうのはやめよう」って言って「雨コンセプトだけど晴れてもいいんじゃないの」って話して。SEが変わったタイミングだね。SEのタイトルって出してないんだけど「ハレルヤ」っていうタイトルなんです。
彼方玲:最初はもうちょっとしとしとした雨の感じだったんですけど、ちょっとずつこの4年間で晴れに近づいていった感じがあって。おそらくですけど、その決定打になったのはあすかちゃんの加入。担当カラーがサンフラワーイエローなんですけど、今まで水色と青系統だけで、ひなたちゃんが紫だったけど寒色系だけだったんです。だけど、あすかちゃんに関しては「もう寒色じゃないな。これはもうオレンジとか黄色とか絶対暖色だよね」ってことで、初めての黄色なんですよ。そこから、アマアプの中に、雨が降ってるだけじゃなくて雨の後の晴れとか、そういったものも要素として入ってくるようになったのかなって思います。
健やかなるときも、病めるときも
── テーマにもう一行あって、健やかなるときも病めるときもあなたに寄り添える音楽って書いてますよね?
彼方玲:書いてます。ちっちゃく。
── 結婚の誓いじゃないですか?
彼方玲:え、そうなんですか?(笑)
TiG:わざわざメンバーに言ってないかもしれない。
彼方玲:その辺の世界観設定はTiGさんが作ってて、あのキャッチコピーとかもそうだし。TiGさんが、そこは私たちの想像性にある程度任せてくれてるから、多分全部は言ってないのかなって。曲とかもそうなんですけど、私たちの解釈とか表現も大事にしてくれてるかな。
TiG:今はメンバー発信の意見ってよく出てくるようになったんですけど、最初は意見出せなかったよね。きっと、これからさらに意見は出てくるようになるもんだと思うんだけど、そこも代弁したつもりでこのサブタイトルにつけてて。基本はラブソングよりの曲が多いので、そういう意味ではお客さんに響いて命題になってくれたら。
ファンとの距離は、近くなった
── きっとあなたと二人でとか、結婚の誓いのこととか、ラブソングであったりとか、4年間歌い続けているわけじゃないですか。ファンの人との距離感というか、本人とファンの人との距離感で、この4年間で何か変わったことはありますか?
彼方玲:それで言うと、お客さん自体もこの4年間で変わってはいて。もともと、私は撮影会から活動を始めて、アマアプを始めたので。最初の頃って、割と撮影会からのお客さんとかが多かったんですよ。それで、活動の主軸がライブになって、撮影会よりもライブの方がかなり多い状態になって。単純に近くなりました。ライブってステージとフロアのコミュニケーションじゃないですか。それをより感じれるようになってきました。その時の気持ちとかお互いお客さんからの気持ちもそうだし、私たちの状況とかもそうだし。よりライブ自体が生きてきてる感じがします。
曲の世界観に惹かれて
── こういうコンセプトで、かつ「かわいい」「ハッピー!」みたいなコンセプトのアイドルじゃなくて、情緒的な言葉を綴ってるグループ。ゆのさんとあすかさんは後から入ってきて、どう感じてます?
葵ゆの:私の入ったきっかけにつながるんですけど、もともとアイドルをやりたくて探してたところにここを見つけた。本当に曲が良くて。それこそ曲がアイドルっぽくない、すごいアーティスティックな感じ詩的な感じなところに惹かれて入ったので。そういうコンセプトもすごい自分にしっくりきて、素敵だなと思って入ったので違和感とかはなくて。それがめっちゃいいところだなと思っています
日野あすか:私もアイドルのグループを探してたっていうよりは、本当にたまたまX(Twitter)の広告でオーディションを見つけたのがきっかけで、音いいなと思ってオーディション受けたんです。めちゃめちゃ王道系のキラキラのザ・アイドルっていうのよりも、人間になるというか、等身大というか。この素敵な感じのこの感じが好きだなと思って、世界観がすごい気に入って入りました。
── アイドルっぽいことじゃないことをやりたくてここに入ったってことですか?
日野あすか:私はそもそもずっと音楽やってきてて、まだ音楽続けたいなって思ってて。音楽の続け方っていうのが表現の仕方にこだわらず、今回グループの一生懸命さというか、またアイドルやってみるのもありだなと思って。いい意味でアイドルっぽいことをしてないアーティスト方向というか、この方向性にすごい惹かれました。アイドルだから探してたってわけではないですね。
葵ゆの:うん。私もほんとに同じ。
── ちゃんと曲とかこの世界観好きで入ってるのいいですよね。ちゃんとこの音楽がやりたいって思って加入してる。その曲なんですけど、TiGさんが作ってるじゃないですか。新曲ってどういう風に渡されるんですか?
彼方玲:新曲は、あの、ドロップボックスで、そういうとこから。
── まあ、そうですよね。
彼方玲:データで渡されますよね。あれは何データなんですかね?音声データ?mp3?WAV?
── WAVで? うん、そういうことじゃなくてね(笑)ちゃんと曲のアレンジも完全に出来上がっててメロディーも歌詞もちゃんと入った完成形の状態?
日野あすか:私ら新曲は1個しかまだ経験してないから。
彼方玲:そこまで言っていただけたらもう答えられます(笑)曲が完成した状態でだいたいTiGさんが仮歌を入れて共有される。後日レコーディングしながら、ちょっとメロ変わったりします。歌ってみて、ここがきつそうだからちょっとじゃあ上がるとか、下げるとか。ここはこの方がおいしい音だと思うから、こういうメロに変えようとか。きついからだけじゃなくて、よくする方にチャレンジして変えたりもしています。
プロデューサーに出す注文
── メンバーさんの方からTiGさんにリクエストしたりとかすることもあるんですか?
彼方玲:ありますね。基本的にはTiGさんが最初に提案してくれるんですけど、私が「このメロの方が美味しいです」みたいな提案をしたこともあります。
── TiGさんの場合は、プロデューサーで、レコーディングのディレクションはもちろん、ライブのマニピュレーターもするじゃないですか。レコーディングや、ライブの時とかに、どんな話をするんですか?
葵ゆの:そうですね、TiGさんが曲を作ってくれてるからこそだなって思うのが、自分の解釈の歌い方、ちょっとの歌い方のフレーズとかも、ライブの後にここは下からシャクって歌うんじゃなくて真っ直ぐで歌ってほしいとか。そういう細かい部分の歌唱までこだわりを持って指導してくれる。
日野あすか:私もすごくフィードバックをいただけるプロデューサーだなと、初めの頃に特に思ってて。私の場合は発表からデビューがめちゃくちゃ短くて一瞬だったんですけど、ライブごとにフィードバックを頂いてて。以前は運営さんがいないタイプのグループで活動してたので、すごい嬉しいというか、ちゃんと見てくれてるんだなっていうのを実感できて、すごく嬉しいですね。
彼方玲:はい、それで言うと、2人入ってまだ1年未満だから、きっといっぱいTiGさんからフィードバックをもらえてるんですけど、私フィードバック最近少ないんでもっと欲しいです。聞けば教えてくれるんですけど、あんまり私がここの部分のここどうでしたかって具体的に言わないとあんまり言ってくれません(笑)
全員:(笑)(笑)(笑)
TiG:ごめんごめん(笑)あんまり言わなくなった自覚はちょっとありますね。
彼方玲:ただ、多分それは私の性格とかを考慮してのことでもあって。おそらくこうしてみたら、ああしてみたらって言われるよりも、割と自分でやって納得したり、しっくりきたことがいいタイプなんですよ。それをわかってあんまりこうごちゃごちゃ言わないようにしようとしてくださってると思うんですが、もっとフィードバックは欲しいです。(笑)
TiGさんの言葉で、刺さったもの
── TiGさんに言われて、今までで一番刺さったことってありますか?
彼方玲:マインド面。私は本当にそればっかりですね。あんまりメンバーが安定しなかったもんで。私もあんまり人と接するのが得意ではないし、どっちかというと一人で生きてきたタイプだから、人との接し方とか。私にとって気持ちのいいコミュニケーションはちょっと変わっているという自覚を持ってと。一般的にみんなにとって気持ちいいコミュニケーションをやっていきましょうねっていうのはずっと言われました。一般的にこういう風にするとコミュニケーションが円滑にいってグループ全体が良くなるよみたいな、割と基礎的な部分から4年間教わってきた。やっぱり、一番刺さったのはそういう自分の感覚だけじゃなくて、相手の方を向いたコミュニケーションを頑張りましょうと。あとは人によって頑張れるMAXとか頑張れる方向はちょっと違うから、グループ全体で成長していくときにどこに合わせるかみたいな話ですね。一番体力がある人に合わせると結局誰もいなくなってしまうっていうのは、TiGさんもそれバンド時代に実感したからって。メンバーが変わっていくうちに、やれるときにやりながらみんなで同じ方向向いてればいいよねって。みんなで頑張らなきゃいけないん時もあるんですけど、ここまでは頑張ろうとか、どこまで無理するかのラインはみんなで話し合おうっていうのは、グループで活動していくために必要だねっていう話もありました。
葵ゆの:めちゃくちゃマインド的な話というよりかは知識の話なんですけど、それこそプロデューサーのTiGさんがが元々演者をやっていたというのと、あと裏方でPAさんとか音響関連の講師もやってたっていうのもあって、演者側のマインドもそうだし、知らなかった業界のルールとかステージに立つ上のマナーとか。割とことあるごとに教えてくれるので、それがすごい普通のアイドルさんとかだったら、そこまで教えなくれないところまで教えてくれるところが私は結構刺さってます。今後も活動を続けていく上でずっと身になっていくものだと思うのでグループとしてっていうよりかは、一人のステージに立つ者としての知識とかを教えてもらうのがすごく助かってます。
日野あすか:今ずっと考えてたんですけど、私は入ってから一番悩んだのは、正直、玲にゃの扱い方なんですけど(笑)私が入って最初3人だった2週間で2人になって、そこから3ヶ月ぐらいずっと2人だったんですけど、どうコミュニケーションとっていいかわからなくて。お互い探り探りで、たぶん三ヶ月で3回くらいしか喋ってない。これほんとに誇張とかなしでまじで(笑)仲悪かったわけじゃないんですけど仲良かったわけでもなくて、お互い距離感を探り合ってたというか、どうしてくれようかと思って。ただ「玲にゃは猫みたいなもん」だとTiGさんに言われて。
彼方玲:よくお菓子くれてたもんね。
日野あすか:絵付けしてるみたいじゃん(笑)だから猫なんだなと思って接するようにしてたというか。刺さったっていうのが正しいかは分からないんですけど、やっぱTiGさんと玲にゃは私に比べてかなり付き合いが長いので。
── 三ヶ月の間、3回ぐらいしか喋ってなかった?
日野あすか:多分そうですね。本当に一番悩んだし、アドバイスとして一番助かったかもしれない。
彼方玲:確かに途中からめっちゃ喋るようになった。途中からうるさくなった(笑)
日野あすか:一旦無視されても喋り続けようと思って。「こいつはこのうるさいのが正解なんだ」っていうのを植え付けるじゃないけど(笑)覚え込ませたら安全だって思ってくれるかなと思って(笑)
彼方玲:私もそこからこういう人なんだなって思うようになった(笑)
日野あすか:正解だったかも。すごい大事だった。絶対。
一番刺さっている歌詞
── じゃあ、曲で一番刺さってる歌詞。単純に好きっていうのでもいいし、歌ってて自分のことだなとか、思い分かるなみたいなのとかでもいいし。
日野あすか:一番好きなのはSepiaなんですよ。これは初めてTiGさんに会った時からずっと言ってるんですけど、私はSepiaが一番好きで。好きな歌詞というか刺さる歌詞ですよね。Sepiaは本当に歌詞言葉一つ一つ全部が好きなんですけど、自分の人生というか、経験に重ねてちょっと重くなる部分があって、大切な曲になってます。
葵ゆの:私も、Sepiaはすごい全部の歌詞がいいなって思うんですけど、あともう一つ好きな曲があって、グッバイマイヒーロー。最初聴いたとき、メロディーがいいなって思ってただけだと思うんですけど。何回か出てくるフレーズで「君が見えなくなるほどの恋なんかもうしてやるもんか」って歌詞があって。君が見えなくなるほどの恋って何なんだってなりません?玲にゃが一人になった時に前を向ける歌詞をって作った曲みたいで。君っていうのが夢とか追いかけてるものだったらしいんですけど、なんかそういうまっすぐだけじゃなくて、意味を持たせて考えさせる歌詞がすごいなんか素敵だなと思っていて。 ファンの方にも「この歌詞ってどういう意味?」ってたまに言われるんですけど、アマアプの曲って情景が浮かぶような歌詞が多いんですけど、この曲だけそういうなんか含みを持たせてる感じで。私はその受け手によって解釈が一個だけじゃなくてもいい歌詞って好きで、私はその歌詞が結構刺さりますね。それでいいんだと思って。
彼方玲:私もグッバイマイヒーローなんですけど、その理由が、グッバイマイヒーローって私が一人になった時にできた曲なんですよ。その前からTiGさんは構想自体はしてたみたいなんですけど、完成させようってなったのが私がひとりのワンマンライブの時で。全部好きではあるけど、その中に私のセリフで「こんなにも人を信じて苦しいなんて思わなかった」って歌詞があって、ライブの時は自分の気持ちそのままに言ってる。グッバイマイヒーローって、去ってった人のことを書いた話なんですけど、さっきゆのさんも言った通りいろんな視点があって。普通に男女の別れの歌とも取れるし、私と去っていったメンバーとも取れるし、アイドルと離れていったファンとも取れるし、逆にファンにはいなくなった推しとも取れるんですよ。どんな考え方で見ても意味は通るよなっていう感じになってて、いろんなお別れに関する歌。ただ、その私の一人になった時にできた歌だから、私にとってはよりその去っていったメンバー、チームの人。そして、当然ファンも去っていった人たちもいる。やっぱり自分の気持ちが詰まってるかなと思う。TiGさんが書いた歌詞なんですけど、TiGさんってあんま暗い話しないんですよ。悲しい物語を書くけどマイナスな発言って歌詞の中にあんまりない。だけど、そこだけは私の心のダークな部分を書いたんだろうなって勝手に思ってます。
Sepiaをいまの3人で録り直す
── 今回Sepia録り直ししてますよね?あらためてレコーディングしてみてどうでした?自分の声が、音源になっていくっていうことに対しては?
葵ゆの:そうですね、もともと旧メンバーの完成された音源をめちゃくちゃ聴いて、そのイメージで歌ってるっていうのもあって。言ったらそこが自分の中での正解、ゴールになっちゃってて。そうじゃなくて自分の歌い回しで、自分の解釈で、声色で歌うっていうのは結構難しくてどうしても寄せちゃうんですよね。それをしないように、今は自分がオリジナルなんだっていう意識で録るのがかなり難しかった。なんか猫かぶってる感じで、もともと完成されてたっていう曲なだけに個人的には苦戦しました。
日野あすか:録ってる時「レコーディング用に歌い方変えてる?」って言われました。ライブの歌い方とどうしても変わってしまった部分はあるんですけど、私も猫かぶってるっていうのはすごいそうで。かなりお上品というか。ゆのさんは寄せないように苦戦したと思うけど、私はむしろ寄せたかもしれないですね。でも、自分の声が入った曲が出るんだっていうのをワクワクをしながらやってました。
── 玲さんは一回録ってるじゃないですか。改めてレコーディングして、前と違ったところとかありますか?
彼方玲:めっちゃあります!初期メンバーの子が、歌い方の特徴あって、二人が録り直すときに迷ったように、私も当時はもう一人の子との声の相性とかを最初悩んでたんですね。今回の再レコーディングは、それまでに一人とかもいろいろ経験してたのもあって、ここをこうどう寄せなきゃとかを考えなくなって、自分らしく歌えるようにもなった。結構私の節が出てるかなって思います。録り直した音源に関しては、TiGさんも私の癖が出てきて、あんまり直さなかったって言ってて、そこを育ててくれたんで、伸ばし方とか、発音の仕方とか、私らしさが結構出てるのが、聞きどころだと思います。
「口が小さい」と言われ続けて
── そして、SepiaのMVが公開されました。撮影の日に、監督さんとか、まあ、TiGさんとかから、一番言われたことはありますか?ここを
葵ゆの:口!
── 口!
日野あすか:口が小さいって、ずっと言われてたよね。
葵ゆの:なかなか難しかったです。ライブの時に大声で歌うぞみたいな感じでもないから、余計に口を意識して。結果的にみんな声出して歌いながらやってたんですけど、映像で見て分かるぐらい口を動かすって結構難しいんだなって思いました。
彼方玲:歌った上で、誇張してあげないといけない。私はアマアプとしてMV3作目だけど、1作目からずっといまだに言われてます。しかも、なんなら一番言われてたよね。
── 出来上がったものを見てどうでしたか?
葵ゆの:感動した。私たちだけのシーンじゃなくて、ドラマのシーン。私たちが一つも見てない映像が半々ぐらいで入ってて、それがMVとして、作品としてめちゃくちゃ素敵だなと思って。純粋に自分の作品というより、ある意味人ごとのようにすごい素敵だなって思いました
彼方玲:Sepiaは初期曲なんですよ。アマアプの中でもデビュー数ヶ月以内とかにできた曲で、私も歌の表現の深み出すために色々解釈をいっぱい考えて歌ってきた。その考えがハマりすぎて、私がバッドになってしまったことも何度もあるぐらい結構重たい曲なんです。まともにライブできなくなるくらいなることもあったから、あんまり考え込みすぎないように、でも大切に考えながらやってきた曲なんですね。それが今回映像化されて、さっきゆのさんも言った通り、ドラマシーンが半分ぐらいあって。それでやっぱり今まで考えてきた情景とかが目に見える形で表現されていたので、その感動もすごく大きかった。ドラマシーンの女優にアマアプを卒業したひなたちゃんを起用してるんですよ。もともとひなたちゃんを起用するって話は、TiGさんからSepiaのMV作る段階で「ひなた起用しようと思ってる」って言われて「めっちゃいいじゃん」って思ったんですよ。今まで不本意な別れが多くて、なかなかちゃんと卒業公演して送り出すってことができなかったんですけど、ひなたちゃんが初めてちゃんと送り出せたたメンバーなんですね。彼女の考えも聞いて、心から応援できる状態で送り出せたメンバーなので、そういった子がこうやってアマアプに関わってくれるっていうのはやっぱり嬉しいなと思いました。ひなたちゃんのドラマシーンでわりと日常的な演技をしてて、恋人と過ごした日常みたいなのが出てくるんですけど、そこで出てくる笑顔とかが私たちと過ごした時に見たものと近くて、表情一つ一つとかに思い出が蘇ってきた。思い出って過ぎ去らないと思い出として完成しないじゃないですか。Sepiaも思い出を歌った曲。今とか未来を歌った曲っていうよりは思い出を歌った曲なんですよ。私にとってもひなたちゃんと過ごした日々が、思い出として昇華してくれたMVに思えた。
卒業したメンバーが映るMV
TiG:アイドルが綺麗に卒業することが難しいのは、この業界にいて散々分かってて。無事卒業公演やってくれて巣立ってくれるっていうこと自体が珍しいぐらいなんですけど。彼女の場合は就職のために卒業していって、アイドルとしての卒業っていうのは卒業公演だけなのかなっていうのをしっかり考えてた上で、MVを出すっていうのもひなた君がやりたかったことだし、九条ひなたっていうストーリーも何かしら完結させてあげたかった。その気持ちもひなたに伝えつつオファーをかけて、やりたいですって言ってくれて、今回これを発表しました。彼女にとってもね、昔こういう活動してたんだよっていうのを、将来言える形にもなるし。だから、そこで胸張って走っていけるものに一つしたかった。
── 自分が刺さってた歌詞が、映像としてリアルに刺さってくるものになってると思うのですが、それを見て感動したより1個深掘りするとしたらどういう感じなんだろう?
日野あすか:完全にただの視聴者リスナー目線で言えば、失恋ソングのMVを見ているのとそんなに変わらないと思うんですけど、このドラマシーンって、楽しかった思い出が多めに出てると思うんですけど、Sepiaってとんだダメ野郎と付き合ってた人のことだから。
TiG:あのMVって尺が短いからあまり表現しきれてないんですけど、本当はお笑い芸人を目指している若手お笑い芸人の彼氏と、それに愛想尽かして別れちゃうっていうストーリーがちょっと実は用意されてたんです。なんで、あの彼のキャラクターとしては、お調子者だけど、ちょっとまあ、女の子の気持ちにはあんまり気づかない彼氏。
彼方玲:ノンデリ、ノンデリ。
TiG:いわゆる、ノンデリ(ノンデリカシー)っていう表現なのかなっていう彼氏と彼女のストーリーです。
日野あすか:まあ、そのとんだダメ野郎のイメージで言えば、その1番も2番もAメロのところでは、割と歌詞でしっかりしっかり表現されてると思うんですけど。
彼方玲:大きめのTシャツ着せてね、なんかそんな感じでいいじゃんって。雰囲気でごまかし、記念日もちゃんと覚えず、おしゃれなディナーに行くでもなく、なんかこんな感じがいいよねってなぁなぁな感じ。
日野あすか:それに対して自分の歌ってるとこじゃないけど、「いつも一人で考えすぎてしまうからここまで迎えに来てよ」の振りで手を投げ出すんですけど、泣きそうになりながら手を投げ出してました。
彼方玲:あそこのあすかちゃんの顔いいんだよね。

ただただ楽しかった4年間
── この4年は周年ライブに向けての話なんですけどこの4年ってどういう4年でしたか?
彼方玲:彼方玲としては、ただただ楽しかった4年間でした。
辞めるも、続けるも
── その楽しさをずっと感じながらも、人がいなくなるというのを何回も経験してきた。その度、何を感じたり考えたりしていましたか?
彼方玲:それは時期によって結構心境の変化があるので、順を追って言うと、当然抜けた時っていうのは、やっぱりちょっと悔しさとかやるせなさとか、怒りとかも正直あるんですよ。その時は一緒にやっていこうって決めた、私もコミュニケーション苦手とはいえ、腹をくくった仲間というか、一緒にここ目指そうねって言ってのに。あちらにもきっといろいろ言い分や考えたことがあって、出した答えがやめるっていう手段だったとしても、なんでやめちゃうんだっていう、そういう怒りとか悔しさとかがあって。でも、辞めるも続けるもその人の一つの選択なんで尊重はしたい。 ただ、やっぱ続けてる自分としては続けてほしいって言ってくれる人がいる限りは続けていくことがやっぱり正義だと私は思っていて。活動自体はずっと楽しくて自分は辞めようと思ったことはないんですよ。アイドル自体はTiGさんとかメンバーとかとうまく折り合いがつかないこととかはいっぱいあったし、「私ここにいていいのかな」は何度も思ったことはる。
でも、結局「ここじゃないと多分続けられないな」という結論に何度も至ってるし、その根本的に表舞台から去りたい、アイドルを辞めたいと思ったことがまだなくて。 今続けてて圧倒的に楽しいが勝ってるんですよ。メンバー離れた時とかは、色々憶測でもの言われたりとか「いじめですか?」とか冗談でも言ってくる人もいて。普通にムカついたし、それで心がやられることはあったけど、それでも「信じてよかった」ってついてきてくれる人いたから。そういう人たちに「ついていってよかったな」って思ってもらいたいから、絶対続けようっていう気持ちになります。
ひとりで立ったワンマン
── ちなみに1.5周年と二周年が1人なんですか?
彼方玲:2周年…そうですね、セカンド1.5周年も1人でしたね。
── 一人でワンマンやるって決まってから、当日まで変えないといけないこともありましたよね?
彼方玲:そうですね、歌割はもちろん全部歌うなんですけど、幸い重なって一人で歌いきれないってとこはそんなになかったんですよ。基本的には一人でもつるっと歌える。ちょっと息上がるけど歌える曲ではあった。でも、振付が二人用に作られてたんで、シンメトリーになってるとこだったりとか、二人で完成する動きっていうのがあったから。そこは二人の振付のまま一人でやるとちょっと欠けた状態未完成なものとして、かわいそうに見えてしまう。かわいそうには見られたくなかったんですよ。だから、そう見せないパフォーマンスっていうのはすごい考えました。
向き合う振りのとことかは一人で向き合ってたらいないわけじゃないですか。だから前向いてみんなの方に向かってやるとかそういうところは結構変えて、1週間から10日とかで変えました。
── それでセカンドはバンドやったんですよね?アマアプとしてバンドでやったことは以前にもありました?
彼方玲:ありました。初期メンバーとの時代で一周年ワンマンの2ヶ月後ぐらいに、バンドセット主催ライブをしたんですよ。それすごくて、タイバンなんですけど、4組で、アマアプのバンドセットで用意したバンドメンバーが、全グループの演奏をやる。バンド固定でグループだけ入れ替わるっていう。バンドはめっちゃ大変だったって聞いてるんですけど4、5曲×4グループを全部覚えて覚えるのも大変だし、当日もだって2時間くらい弾きっぱなしでしょ。
TiG:音楽性もバラバラだし、同期データもバラバラだし。
彼方玲:聞いたことないバンドセットでしたね、あれは本当に。そこが初のバンドセットで。
── そこから、ワンマンをバンドでやって、普段はメンバーがいてオケでやってるのが全然違うものになってる。その感覚やステージングの違いってありますか?
彼方玲:そうですね、セカンドワンマン、最初のバンドセットは普通にオケでやってるようにやれるようにってことで、同期も使いながらバンド、割と普段のオケでやるパフォーマンスと変わらずやれるようにやってました。 まだ私たちも慣れてなかったしってことで、あんまりパフォーマンスのここが違うっていうのはなかったんです。セカンドワンマンのバンドセットについては、あれ実は急遽なんですよ。2、3週間前にメンバーいなくなって、TiGさんも結構凹んでたし、私がTiGさんに「バンドセットにしようよ」って言ったら、「やるか!」みたいに。半ば焼けくそではないけど、「ここまで来たらやったろ!」みたいな感じになって、急遽バンドメンバーに連絡してくれて、本当にスタジオも直前に入って。
だから、あんまりバンドセットとの向き合い方は、実はできてないんですよ。バンドで歌うのは楽しかったんですけど、その2周年のバンドセットはアイドルとして踊って歌おうっていうよりは、自分の置かれた状況もそうだし全部背負って、今の自分の気持ちを来てくれた人に全部ぶつけようっていう。チーム全体でTiGさんもギターで参加して、コーラスも結構歌ってもらったんですけど。アマアプの楽曲制作に関わってくれたメンバーでその日やったんですね。当時のアマアプが私一人になってもこういうワンマンができるのって、この小さいけど確実に愛があるチームだからできることなんで。 それも含めて伝えようっていう気持ちでやりました。なのでバンドセットだからこうしようって何かを意識したっていうのは、まだその時はできてなくて。それで言うと今度のワンマン、その1年目にやったバンドセットからは大きく変わったものがお見せできるのかなと思っています。
ひとりのワンマンを、ふたりはどう見たか
── 二人って一人でワンマンやってるのとかって映像で見たりとかしたことあります?今三人でやってるのを自分が一人でワンマンやらないといけない時のことを想像したらどう?
日野あすか:プレッシャーで死んじゃうかも。
葵ゆの:一番は集客面とか、一人でワンマンで集めなきゃいけないとか、めっちゃ難しいことだなと思うし。映像見ただけだと、めちゃくちゃ人が入って盛り上がっててすごいと思ったんですけど、それを今の自分には絶対にできないなと思うし。うん、本当に尊敬してます。シンプルにすごいなと思いました。想像ができないです、正直。一人でワンマンやるっていうことが。
TiG:挑戦しようとしてくれてるの嬉しいな。何かがあって一人で立たなきゃいけないってなっても、今の二人ともなんか何かしらやろうとはしてくれるだろうなって。
葵ゆの:挑戦する気持ちは、もちろんあるので。
TiG:その意気込みを感じれて安心しました。
ひとりだけ、青じゃない
── はじめの話に戻るんですけどあすかさんだけ、サンフラワーイエロー、青系じゃないですよね。
日野あすか:私が入ったタイミングって他の色が青と紫だったんですよ。じゃあ自分は水色かなって思って。でも、イメージと違うよなっていうのは聞いてて。その前にTiGさんから「何色がいいか考えといて」みたいなことを言われたことがあって。以前の活動から、自分のグループカラーは黄色系でやってきたので、それもあったと思うんですけど。ただちょっと「ここに黄色入れるのは違うよな」っていう気持ちがあって、最初は白とか提案した方がいいかなとか思ってたんです。
彼方玲:今までのメンバーと全然違う。明るいんだよね。名前もね。
日野あすか:そうなんですよ。日野あすかなんですけど、あすかももともと全部にお日様の日が入るんですよ。それもあるのかな。サンフラワーのサンもそこにも繋がってくると思うんですけど。
TiG:ブルーつながりで結構メンバーカラーをつけてきたんですけど、これまで無理やり紫をラベンダーブルーって表現してブルーをつけてたんですけど、あすかが加入するってことを考えたときに、いやもうこの縛りはきついと思ったんですよね。雨が似合う子というよりは、晴れてる世界観が似合う子が入ったし、ここでアマアプの世界観も晴れてもいいのかなっていう気持ちも込めた。
日野あすか:でも雨女なんですけどね(笑)
TiG:勘弁して(笑)
── ゆのさんはまたライトブルー。晴れを入れてのまた青がつくっていうのは?
葵ゆの:最初に入るときにTiGさんと色の相談をしていて、結構青色が好きで。でも、青がいるし、今まで水色の子が常にいたっていうのを知っていたので、考えたりもしたんですけど、結局水色で。青系統が私は個人的にも好きでした。
最後に入った人の目
── ゆのさんは最後に入ってきてるじゃないですか。入ってみての印象ってどんな感じですか?
葵ゆの:玲にゃが猫みたいな話に戻るんですけど、ギャップがすごくて。人間関係?中身の部分。
彼方玲:すごい人間関係悪いとこみたいな。
葵ゆの:個性が強すぎて。私が入った時は、まだ個々の関係も今みたいな感じじゃなくて、もっとよそよそしい感じ。まだここまでじゃなかった。
彼方玲:普通に人見知りしてた。
TiG:彼方は人見知りが長いんですよ。解けるまでがマジで時間がかかる。
日野あすか:人見知りの期間長くないですか?
彼方玲:多分、人見知りしなくなったのが3ヶ月は最速。
TiG:俺も見てる限り最速ですよ。黄色すげえ。
葵ゆの:元の二人がいるっていうのがあったから、そこに合わせていく感じで最初いこうかなと思ったら、距離とかなんもない状態。お互い静かにいるみたいな感じで最初めちゃくちゃ不安だったんですよね。今後のコミュニケーションはどうなのだろうという状況ですよね(笑)一緒にやっていく仲間って仲良い方がいいじゃないですか。最初入ったときは正直めっちゃ不安でした。今は3人だけでご飯いけるくらい仲良くなったんで、よかったです(笑)
TiG:彼方玲が扱いづらかったと。
彼方玲:本当に扱いづらいと思われていると感じてなかったです。
葵ゆの:えー、嘘(笑)
「今、幸せですか?」
── 玲さんは2人が入ってきて、自分の中で変わったことはありますか?
彼方玲:扱いづらかったって言われてるんですけど、かなり私は社交的にいたんですよ。あすかちゃんが入ってくるぐらいから、これは怖がらせちゃいかんと思って。TiGさんからも周りの人からも指摘をされていたんですね。「人見知りしている状態だと表情の少なさとかから、怖がらせてしまっているよ」みたいなことは言われていたんで。だから、なるべく明るく振る舞うようにしてたんですよ。
葵ゆの:いい意味でもずれてて、初めて顔合わせした時に「おはようございます」とか「初めまして」とかではなくて「今、幸せですか?」って聞かれたのが逆に怖くて(笑)「どういうこと?あ、そういう感じの人なんだ」って。
TiG:これでも初対面どうやって接したらいいかっていうの、事前に俺に相談ラインとか来てるからね。
彼方玲:相談した上で、爪痕残そうとしてた。口数こそ少なかったけど、私は心地いい距離感だと思ってたので。まさか扱いづらいと思われてたとは。やっぱり一般的には最初からハートフルな感じがいいんだなって今は思ってます。
── 日々成長ですからね。成長できてるんだったらいいと思います。
日野あすか:一応これでもだいぶ。
TiG:玲に自覚があるかどうかわかんないんだけど、多分この体制になってからだいぶ変わったよね。
彼方玲:人見知りをしなくなれば私は大丈夫だから。
TiG:多分気も楽なんだろうし。慣れ始めるのが早かったし、多分今の三人、楽でしょ。

Name of the Flowers
── そんな三人がワンマンをやるわけじゃないですか。タイトルがName of the Flowers。どのタイミングで知りました?
彼方玲:タイトルは主催公演で発表しましょうとなって、主催公演のちょっと前にグループラインでこういうコンセプトにします。こういうタイトルにします。と、イラストが送られてきましたね。
── 「マリンスノウ、揺れる。」とか、水とか深いとかそういうタイトルが今まで多かったと思うんですけど、急に花の名前じゃないですか。しかも複数形じゃないですか?どういう印象を受けました?
日野あすか:前までのワンマンのタイトルが不安定なもの、概念的なイメージが多いと思うんですけど、花って土にちゃんと根を生やして開く。自分の勝手なイメージなんですけど、今やっとこのメンバー3人で同じところを向いて、同じ熱量でやっていこうっていう基盤が整ったから、そこから花開いていこうねっていうイメージなのかなって私は思ってます。 やっとスタートラインに立ったじゃないですけど。ここからだよっていう。めっちゃいい。
葵ゆの:そうですね。普通は4周年ライブって、今までを大事にしてきて、長くやってきたからこその重みのあるライブにしたいってなると思うんですけど、今回のName of the Flowersってある意味名前のない花に名前を付ける、今から始まるみたいな感じに思えた。今までのアマアプの歴史っていうより、この3人で今から始めていくぞみたいな、自分も受け入れてもらった感じ。
私個人的には正直4年ってすごい長い年月だから、尊敬してるからこそそこに馴染んでいかなきゃいけないって思ってたんですけど、そうじゃなくて3人で今から名前のないところから始めようとしたみたいな。それをあえて4年目につけてくれたことが個人的には嬉しく 感じています。
彼方玲:花をテーマにしたということで関連して考えられることが二つあって、一つはこの体制の始まりって、前体制のひなたちゃんとあすかちゃんがちょっとだけ一緒の期間があったんだけど、この体制の始まりはあすかちゃんの加入から始まったと言えるんですね。その彼女がSunflower Yellow。Sunflowerってひまわりじゃないですか。ひまわりという花が一つ要素として出てきたっていうことが一つフックになっているんだろうなって。
もう一つTiGさんの腕に2つ花のタトゥーが入ってて、アマアプ始める時はなかったんですよ。これは初期メンバーと2人で始めた時の話になっちゃうんですけど、その時は3人にするって考えてなかったし、アマアプは2人って考えてたから2人をここに刻んだんですね。月下美人の花なんですけど、当時の二人のイメージがそういう花だったっていう。二つのことが今ここで重なるなと。
TiG:これはもう一つ、入れなければいけないのでしょう(笑)
彼方玲:今となっては、意味がちょっと変わってるけど。
TiG:もうなんか全部伝わってるなって思いました、ちゃんと。僕が考えてた何パターンもの含みみたいなことを、ほとんど全部受け取ってくれてる。
彼方玲:タイトルとイラストが送られてきたって言ったんですけど、そのイラストは、TiGさんが描いたお花の絵だったんですけど、何の花でもないんですよ。見たことない花?わざと何の花でもない花を描いたと思うんですけど、あえてひまわりとか、私たちのイメージに寄せた花ではなくて。見たことない花を描いたのはおそらく意図があるんだろうなって。お客さんたちも、それぞれがそれぞれの思う名前を付けるような感じで、今の私たちを楽しんでくれたら。
花の名前
── いっせーのでーで、あなたが思うName of the Flowersの花の名前、この花への込める意味を一言で言ってみてください。せーの!
全員:アジサイ!期待!絆!
── なるほど。理由は?
日野あすか:絆。過去に玲にゃとTiGさんがずっと活動してるわけじゃないですか。そこに私とゆのさんが入ってきて、チームとしてまとまっていて、ここから始める僕っていうのも夢もあるし、今までそのままと思ってきたファンの人も、これから出会う人たちも、いい気分を持って、なんと呼べる繋がりで、これからも続いていきたいなっていう思いです。
葵ゆの:私は期待って言ったんですけど、この3人になってから1年も経ってないワンマンで、私が入って7ヶ月ってちょっと。
これからどんどんこの先の期待を感じてほしいのっていうのと、これは普通にびっくりしたんですけど「今が一番安定してるね」ってめっちゃファンの人に言っていただけて、そういう意味で今までのお客さんが「大丈夫かな」って不安みたいな感じで向かっていってるんじゃなくて、この3人のワンマンライブは誰も抜けないことを前提に純粋な期待で当日まで向かっている感じがしてて、私が知らないアマアプをこれまで応援してたファンの方々に言葉の要所要所で期待されているなというのを感じてて期待にしました。
彼方玲:答え方が趣旨に合わなくてすみません。花の種子と掛けたわけじゃないんですけど。
TiG:(失笑)って入れといてください(笑)
彼方玲:今までの体制変更いろいろあって過去に私たちを見た人とかと、4年やってると見たことあるよって言われることもあるんですけど、逆に見たことあったって気づかなかったっていう人もいるんですよ。それは結構各体制でちゃんとTiGさんがコンセプトをしっかり変えている。アー写の雰囲気もそうだし、衣装もそうだし、ちゃんと色が違っていて、私も当然変化をしているけど、アマアプとして4年間しっかり変化があったから過去を見てたことに気づかなかった人もいるんですよ。あの時の対バンにいたんだみたいな。
アジサイは土壌の酸アルカリで色が変わるんですけど、今のアマアプがどういう色に咲いていくのかっていう、状況とかメンバーとか置かれてるチームの状態とか、お客さんの気持ちとかによって咲き方は変わっていくかなって思って。アジサイって言いました。
追い風でも、向かい風でも
TiG:これまでの活動歴もそうですし、経験してきたことも違う。それでどういう咲き方するのか自分たちも分からないし、ここから咲いていく様を見てもらいたいって思いました。僕なりの答えというよりは、このタイトルを閃いた時の話を。今回発表したSepiaのMVを撮りながら閃いたんですよ。何かっていうと背景にたくさん登場してくる風力発電の大きくそびえ立つ白いプロペラがちょっと花みたいだなっていうふうに一瞬思って、そこから今回持ってきたんですね。追い風でも向かい風でも、エネルギーを生む。向かい風もいっぱい経験してきたし、お客さんの声援がこれから少しずつ増えてきて追い風になることもあるでしょう。 それをエネルギーに、メンバー3人が向かっていく先がそろっていれば増幅して爆発的に増えていくから。
今までのコンセプトが深い海だったりとかから、急に地上に上がったのはなぜなのかというと、そのストーリーをこの3人で表現するっていうよりは新たなアマアプがここから始まるイメージの方が僕にとっては近かったので。なので、そういう追い風でも向かい風でもエネルギーを生んでここから力強く育っていく様を見てもらおうっていう思いです。
過去最大規模の渋谷WWW
── これからのアマアプに対してTiGさんが抱いている希望、ファンの人たちの未来への希望みたいなものを持ったものになるのかなって思います。
彼方玲:まさにその言っていただいた通り。これからの希望っていうのは、このWWWで表現したいものの一つで。未来に向けた発表を一つするんですよ。スケジュールのカレンダーとか見てくれてる人だったら、ちょっと先まで見て何かがあるなって若干察してる人もいるかもしれないですけど、WWWワンマンのその先のことまでも既に計画は進んでいてこれからやっちゃうぜっていうのをワンマンで発表します。
── 今まででいうと、鹿鳴館、SHELTERキャパ250、チェルシーホテル300、clubasiaがメインフロアで300、WWWって500だからキャパ的に過去最大規模になると思います。で、その数字って実感ってあります?
彼方玲:実感ありすぎて怖いです。
── 二人は最初のワンマンで、それが一番大きい箱になるってことに対して実感ってあります?
葵ゆの:実感しかなくて。めちゃくちゃ不安っていうのはあって、申し訳ないなという気持ちもあって。4年かけてそこにやっとたどり着いたのに、いきなりそれを一緒にやるって重みが一体違うじゃないですか。今までのワンマンを成功してきたからそこを選んだっていう実績がある人と、まだ実績がないけど一緒にする側で。でも、その3人でそこを一杯にしなきゃいけないって、すごい重いなって。重たい現実すぎて悩んでます。実感しすぎて。
日野あすか:そもそもそも4周年の会場が、メンバーが変わるっていうことを想定してるはずがないので、本来であれば元々いたメンバーと今まで作り上げてきた積み重ねてきたものがあって、段階を踏んで会場が大きくなってきてっていうのを作ってたと思う。自分が入るときにはもうWWWワンマンが決まってる状態で、ひなたさんの卒業も決まってた。入った当時は今までずっとやってきた玲にゃと、私とこの未来に入ってくる子でこう埋めなきゃいけないんだっていう気持ちと、ある意味プレッシャーはあって。本来だったら4年目のグループの勢いが、実際は1年目だし、不安とかプレッシャーとか責任は少なからずあります。最初の会場が大きいのはすごい不安なんですけど、頑張ります。
葵ゆの:頑張らなきゃいけないって感じです。
彼方玲:え、最初のワンマンがWWWって超良くない?
葵ゆの:いや、いいんやけど。立てることは前提としてめっちゃ嬉しい。嬉しい。ありがたい状況だなと。
彼方玲:加入するかどうかっていうオーディション応募する段階でも、来年のワンマン、WWWですよっていうのが分かった状態で「入るぞ」って。もう結構それだけWWWを重く考えてくれてるからこそ、結構勇気いることやったんかなっていうのも思います。
日野あすか:すごいって思います。
葵ゆの:逆に入りたいと思った時は、まず入れるかどうかも分からなかったから。普通にそこに関して重たい感情あったっていうよりかは「すごい!立ちたい!」って単純に思ってた。
彼方玲:めっちゃ楽しみじゃないですか?
葵ゆの:そこに立てるっていうのは人生そうそうないから楽しみです。
TiG:俺もいいなって思う。いいな。ここで歌えるって。
彼方玲:そうそうないけど、でもそうそうないままにするつもりはないです。またWWWって言えるくらいになりたい。
10月20日に来る人へ
── ワンマンに来ようとしてくれてる人とか、楽しみにしてくれてる人も含めて、この記事を読んでる人にワンマンに対してのメッセージを。
葵ゆの:今見てくれてるアマアプのお客さんって、4年間見てた人だけではなくて、最近知ってくれた人、途中から見た人の方が当たり前だけど多くて。 メンバーも3分の2がまだ1年未満。そういう意味では新しい人も気軽に見れるような、純粋にイベントとしてひとつのライブとして、曲一つも知らなくても楽しめるようなライブになると私は思ってて。それがバンドセットで音楽、生音演奏。普段あんまり見れないライブで楽しいっていうのもあると思うし、本当にここがきっかけで知ってくれてもいいんじゃないかなって私は思ってるので、ワンマンライブってすごいちょっとハードルも高いと思うんですけど、知らない人も見たことない人も純粋に気軽に楽しめるようにしたい。
グループとしては3人で500キャパを埋めるって、グループとして頑張るっていうのも一つだけど自分自身との戦いでもあるなと思っていて。そういうところもそれぞれの向き合い方の見どころなのかなと思っています。
日野あすか:私のところに来てくださってるファンの方って、半分以上は過去のアマアプから見ている方たちだと思うんですけど、まずは1年前の自分を見てくれた人がたくさんいると思うので、自分としては成長を見てほしい。自分がアマアプとして約1年活動してきて抱き続けてきた音楽というか、表現をまずは見てほしいなって思う。 あと、ワンマンだから最近見てる人が頑張らなきゃみたいな気持ちではなくて、一度離れてしまった人とか、まだこの体制見てないなっていう人とかも、今のアマアプの音楽を、表現を、見に来てほしいなって思ってて。一度離れてしまうとどうしても行きづらいなと感じる人も結構いると思うんですよ。 一回離れた現場、メンバー変わった現場ってなかなか行きづらいというか、行くきっかけがなかなか見つからないかもしれないんですけど、そういう人にこそ一回ちゃんと見てもらいたいし、そんな日にしたい。
アイドルっていう形であるからにはやっぱりメンバーの印象から入ることが多いと思うんですけど、私はこのグループにアイドルをやりに来てるっていうよりは、この音楽を見てほしい、表現を見てほしいっていう気持ちが強いので。 メンバーの印象はどうしてもきっかけにはなってしまう業界ではあるんですけど、私が入ってから一回見たけど離れちゃったよっていう人とかも、来てほしいなって思います。
彼方玲:私は初期メンバーがゆえ、加入記念日というものが存在しなくて。グループの周年とイコールなんで、私も2026年10月でアイドル4年が経つのでおめでとうって言ってほしいです(笑) それから、周年ライブやワンマンをいろいろやってくるにあたって、最初1年でちょっとやったかなって感じなんですけど、招待チケット制度を去年もclubasiaもやらずにきまして。club asiaの結果を見てWWW決めるって話だったんですが、asia当日にTiGさんがWWWに確定の電話を入れたぐらいには結構ギリギリの挑戦だったんですね。「WWWいけるかな」っていうのを、asiaでいけるって思ったら確定するって、そういう高い目標だったWWWでもその時一緒に目指した子たちはもういなくって、完全に新しい状態でそこを目指しましょうっていう状態。 WWWの規模感は「さすがに招待やる?」っていう話も出てたんですけど私が「やらない」ってと言って、結局やらないことになったんです。他の方からは「マジ?」「正気かよ?」みたいな反応を結構されて、私もやばい決断したと思ったんですけど、今までのワンマンでもメンバー抜けちゃったりとかそういう危機的状況って何度かあったけど、その危機的状況をピンチでもちゃんとちゃんと明るい未来を示してきたと思っていて。
私はピンチに負けたことがないんですよ。 だからそれに至るまでにはめっちゃいろんな戦いがあって、いや今回こそやばいかもっていうことも何度もあったけど、なんだかんだちゃんと意地と執念でやってきたと思ってて。だから、今回も絶対にそうしてみせる、今一番安心して推せるグループということを示したいと思います。
女性として、こうありたい
── 最後にこのGIRLS特区!!は、女性アーティスト特化型メディアということで女性としての生き方、矜持を教えてください。
葵ゆの:すごい主語が大きくて、全女性を敵にするかもしれないけど、女性って感情的な思考をしてるじゃないですか。でも、感情的に動かないような、しっかりと物事を考えて動ける一人の人間として、女性として生きていきたいと常に思っています。今までの人生の後悔とかは、物は考えようだなと思っていて。
感情的に言ってしまうと、多分ダメだったこと、悲しかったことに置かれがちだなって思っていて。なので冷静に真っ直ぐに筋を通して生きていきたいなと思っています。
彼方玲:私は女性としては強く自立していること、強く自立した人になりたいなというのはずっと思ってて。もともと気だけ強くてメンタルめっちゃ弱いんですけど、私は強さっていうのは、ただ強いだけじゃなくて、力が強い、気が強い、メンタルが強い、いろいろあると思うんですけど、弱いを知ってる女性は強いんですよ。 だから、自分にもその弱いところがあったときでも、人の弱さを許せたかっていったら許せていないってこともあったし、人の弱さとか自分の弱さとかも含めて、自分の意志を持って向き合える強さっていうのを持ち合わせていきたいなと。
ただの優しさではなくて、自立っていうのは、依存と逆だと思っていて。 何かに依存して生きてきた人、生きている人いっぱいいると思うし、私も何かしらに依存して生きてきた人間なんですけど、依存していないと自分を保てないと弱さがあった。自分の身を滅ぼすものに依存をしないで、自分をこれから強く咲かせていくことに熱量を持って自分の意志で自分の未来を選択していく女性でありたいです。
日野あすか:私が女性としてというか、生きている上で、人の見え方を気にするタイプではあるんですけど、生きている上でずっと軸に置いていることがあって、まずは今ここにある現状に感謝を忘れないこと。
もう一個、人間って一人じゃ絶対に生きていけないんですよ。絶対誰かしらどこかしらで、誰かしらの力を借りて生きていると思っていて。本当にいろんな人に助けていただきましたし、もちろんこのグループに入ってからもいろんな人に支えられてここまで生きてきてますし。もちろん親だって、友達だって、メンバーだって、何だってそうなんですけど、感謝を忘れて現状にあぐらをかいている人間には絶対になりたくないなと思っていて。
女性としてというよりは人間として感謝を忘れずに、今までもこれからもやっていきたいと思います。自分のありたい女性像というか人間像としては、女の子って儚い存在でありたいなと思っていて。儚いって、弱く見られるというか見られがちだと思うんですけどそうじゃなくて、ちゃんと芯のある人間を目指したいと思っていて。なので、ひとまずは感謝をする人間として生きていきたいと思います。

Interview / Photo:柴 正明